債券Q&A(II-4)|イールドカーブはなぜ変動するの?

発行済みの債券の利回りは債券の時価によって定まります。そのためイールドカーブは金利の変動に影響されます。一般的に金利が変動した場合、債券の期間が長ければ長いほど債券の価格が大きく変動します。これに加えて、市場環境に応じたイールドカーブの形状によってケース分けされます。
短期金利と長期金利が同水準で、将来の金利の動きが上下のどちらに動くか分からない市場環境では、全期間においても同水準に金利が変動しやすく、イールドカーブはパラレルシフト(平行移動)に近い動きをします。2022年~2024年の米国債券市場では、政策金利の利上げ後に中長期の金利の方向感が定まらず、イールドカーブの平行な変化が観測されました。

一方、短期金利が長い間、マイナスの値で固定されていた日本では、変化が生ずる時には長期金利主導でしか動きにくい状況が続き、期間が長いほど金利水準と債券価格が大きく変動し、金利の動きに応じてイールドカーブの傾きが変動する傾向が続いていました。下図のように、短期金利と長期金利の差が拡大し傾きが急になるように動くことをスティーブ化、傾きが緩やかになるように動くことをフラット化と呼びます。
上記は代表的なケースですが、それ以外にもイールドカーブの形が曲がったり歪んだりするような動きを示すことがあります。

2026年下半期には、中東の情勢次第で、国際的なエネルギー供給が回復するか不安定化するかが分からない市場環境となっています。このような特殊な状況では、和平交渉が遅れる(進む)と石油価格が上昇(下落)し、物価上昇(下落)に対応するために利上げ(利下げ)を行う期待感が高まり、これに伴ってイールドカーブもスティープ化しながら上昇(フラット化しながら低下)するなど、大きく異なった形状に変化しやすくなります。さらに、インフレ対応の有無で量的引締め(量的緩和)などの政策がとられると、中央銀行による金融政策により、さらにさまざまな変化が生じることになります。