【レポート】高市政権の新経済政策の全体像と、市場への影響評価ポイント
本レポートでは、骨太の方針の経済政策の全体像および市場への影響の評価ポイントについて概観する。
新たな骨太の方針の骨格と概要
- 今回の骨太は、従来型の短期景気対策ではなく、財政運営改革・産業政策・地方再構築・社会保障改革を一体化し、「供給力強化型の体制転換」を進める内容。
どのように経済成長を達成するのか
- 今回の高市政権による政策のすべてが、内閣府の中長期試算に依存。
- 骨太内の政策により潜在成長率を+0.5%から+0.9%~1.5%まで押し上げと試算。内訳は、資本投入の効果が+0.5%、AI導入や生産資源配分など直接観測しにくい質的な成長要因(TFP)が+1.1%、と見込む。
骨太内の戦略① 日本成長戦略
- 日本成長戦略は、17の戦略分野と62の主要製品・技術に対する官民投資ロードマップを策定。さらに、さまざまな横断的施策、複数年度予算を複合的に実施する方針。
- 2040年度に民間設備投資230兆円、GDP1,100兆円などを定量目標。ただし、規制緩和や支援制度などの改変判断が遅れれば、民間の成長資金は国外に流れることに。
骨太内の戦略② 地域未来戦略
- 地域未来戦略の懸念は、『「強く豊かな日本」投資枠』を成長戦略と共通して活用すること。世界の潮流に反して、成長資金が地方へのバラマキ的な政策に充当される懸念も。
- 本戦略の実施状況は、国家成長の「アクセル」指標というより、「ブレーキ」を測る指標か。
骨太内の戦略③ 予算編成改革・財政運営改革
- 財政規律を「歳出削減」だけで捉えず、供給力と税収基盤の強化で対応。財政運営目標も、総公的債務残高対GDP比の安定的な低下を目標とし、複数年で管理。
- 通常歳出とは別に『「強く豊かな日本」投資枠』を創設、要求上限を設けず、必要額を要求できる仕組みに。「既存の投下先を切る判断」を実施できるかどうかは信認を維持上重要。
その他の主要分野
「骨太の方針(2026)」のリスクと市場への影響
- リスク要因:(1)成長シナリオ成立前に「市場の信認」を喪失、(2)日銀の金融政策との非整合性、(3)産業政策の実装能力(特に成長分野)、(4)税制・社会保障改革の未完成懸念。