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日本:円債 | 市場分析・見通し

【動画】日本経済と円金利の見方|日本国債金利はどこまで上がる?

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日本の長期金利は2026年に入り上昇基調が続いている。日銀の追加利上げ観測に加え、中東情勢の緊迫化や円安、輸入インフレへの懸念が重なり、日本国債市場では先行きへの警戒感が強まっている。 では、日本国債金利は今後どこまで上昇するのだろうか。本稿では、日本経済の現状を整理しながら、円金利の見通しについて考察する。

日銀は利上げ姿勢を維持している

2026年6月の金融政策決定会合後、日銀は政策金利を引き上げる方向性を維持していることを改めて示した。一方で、利上げのタイミングやペースについては慎重な姿勢を崩していない。 背景には、中東情勢の不透明感がある。エネルギー価格や為替への影響が読みにくいなか、日銀としては拙速な政策変更を避けたいとの思惑があると考えられる。

足元の消費者物価は落ち着いている

2026年5月時点で、総合消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年比1.5%である。さらに、生鮮食品やエネルギーの影響を除いた基調的な物価上昇率は1%台前半にとどまっている。 昨年に物価を押し上げていた米価格や食品価格の上昇率が低下したことに加え、政府のエネルギー支援策も物価を押し下げる要因となっている。 その結果、表面的にはインフレ圧力が和らいでいるように見える。

企業物価には依然として強い上昇圧力

しかし、企業側から見ると状況は異なる。 企業物価指数は前年比6%を超える上昇となっており、企業の仕入れコストは依然として高い。特に輸入物価の上昇が顕著であり、原油やエネルギー価格の変動が企業収益を圧迫している。 一方で、輸出価格の上昇は限定的である。つまり、輸入コストの増加を十分に価格転嫁できず、企業の利益率が圧迫される構造となっている。

円安の恩恵が国内に波及しにくくなっている

近年の円安局面では、輸出企業の収益改善が賃上げや国内消費の拡大につながってきた。 しかし、足元では輸入価格の上昇が輸出価格の伸びを上回っており、円安の恩恵が国内全体に還元されにくい状況に変化している。 円安が進んでも企業収益の改善余地は限定的となり、家計にまで恩恵が及びにくくなっている点には注意が必要である。

中東情勢が最大の不確実性

今後の日本経済を考える上で最大のリスクは中東情勢である。 米国とイランの交渉は継続しているものの、ホルムズ海峡の通航や制裁解除、核開発を巡って双方の主張には大きな隔たりがある。 短期間で問題が解決する可能性は高いとは言えず、エネルギー供給を巡る不透明感は今後もしばらく続く可能性が高い。

原油調達の多様化だけでは安心できない

日本政府はホルムズ海峡以外からも原油を調達できる体制を整えたと説明している。 しかし、これは主として短期的な代替調達を意味するものであり、中長期的に安定供給が保証されたわけではない。 備蓄の存在は安心材料ではあるものの、供給網の不安定化が長期化すれば、輸入コストの上昇や円安圧力が続く可能性がある。

賃金は上昇しているが、雇用には変化の兆し

国内では賃上げが進んでいる。 2026年4月の正規労働者の給与は前年比で約4%増加し、物価上昇率を上回る実質賃金の改善が確認されている。 一方で、有効求人倍率にはやや低下傾向がみられ、新規失業保険申請者数も増加しつつある。雇用環境は依然として良好であるものの、一部では減速の兆候も現れ始めている。

長期金利はなぜ上昇したのか

2026年前半、日本国債金利は大きく上昇した。 背景には、ホルムズ海峡を巡る地政学リスク、円安による輸入インフレ懸念、そして財政規律への警戒感がある。 これらはいずれも、単純な日銀の利上げだけでは解決できない問題である。そのため、市場では「日銀の対応が後手に回るのではないか」というビハインド・ザ・カーブ懸念が意識され、長期金利の上昇圧力につながった。

日本国債金利はどこまで上がるのか

今後、日銀は2026年末に追加利上げを1回、さらに2027年にも1回程度の利上げを実施する可能性が高いと考えられる。 しかし、利上げペースは緩やかであり、インフレや供給制約の問題を完全に抑えることは難しいだろう。 10年国債利回りは、2026年末に2.7%台前半で推移し、その後も世界的なインフレ圧力が続けば、2028年頃には3%程度まで上昇する可能性がある。

まとめ

日本の金利上昇は、単なる日銀の金融政策変更だけで説明できるものではない。中東情勢、エネルギー供給、円安、そして世界的なインフレという複数の要因が絡み合っている。 今後の日本国債市場を見通すうえでは、日銀の政策だけでなく、世界経済の供給環境や地政学リスクの変化を総合的に捉える視点が、これまで以上に重要になるであろう。

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上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

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