債券Q&A(III-3)|信用格付の種類は?

信用格付にもさまざまな種類があります。
信用格付は大きく分けて個別債務格付と発行体格付の二種に分類されており、それぞれが長期格付と短期格付に分類されます。

一般に、発行体格付は、債務者が負うすべての金融債務についての総合的な債務履行能力を表した格付となり、債務の不履行が発生する可能性(デフォルト確率)を評価するものの、デフォルトが起きた場合の回収可能性については反映せずに評価します。
これに対し、個別債務(債券)格付とは、個々の債務等が約定通りに履行される確実性を表した格付機関の意見です。長期の個別債務格付はデフォルト確率に加えデフォルトが生じた場合の回収可能性の違いについても評価に反映しています。例えば、倒産法制やその他債権者の権利に影響しうる法律に基づく破産や会社更生などの手続きがあった場合に、金融債権保護の内容(保証の有無)や個別の金融債権の相対的地位(担保順位等)などが回収可能性の違いに影響します。こうした特性は個別の債務毎に異なるため、個別債務格付には反映されますが、発行体格付には反映されません。

ここでは、S&Pの格付定義を参照してみます。
S&Pの場合の格付分類

クレジット・ウォッチとは格付の見直しを必要とする特別な出来事または短期的なトレンドに焦点をあてた、短期格付または長期格付の方向性に関するS&Pの意見を示すものです。信用格付がプラスの方向への調整が検討されている場合はポジティブ、マイナスの方向の場合はネガティブと呼ばれています。通常は上限を90日として格上げ・格下げ・維持の判断が示されます。なおR&I「レーティング・モニター」も同義であります。
格付アウトルックは、長期格付が中期的にどの方向に動きそうかを示したものです。一般的には投資適格水準の格付の場合は向こう2年間、投機的水準の格付の場合は向こう1年間の評価がされます。信用度が上がる・下がる・安定して推移する可能性がある場合「ポジティブ」・「ネガティブ」・「安定的」と表します。
