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欧州 | 個別企業(債券)

フランス電力(EDF)のクレジット評価ポイント

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  • 本動画では、フランス電力(EDF)の債券投資におけるクレジット投資評価の考え方を解説する。
  • フランス電力はフランス政府が100%を出資する国営企業で、フランス国内の送配電網(規制事業)や原子力発電設備(国内発電事業)について大半を保有する公益企業である。この他に、英国やイタリアなどでも電力供給事業を営む。同社の公益性を考えれば、仮に財務状況が悪化した場合にも、国際的にも極めて高い水準をを維持するフランス政府による暗黙の政府保証を期待しやすい。
  • よって同社のシニア債投資においては主要格付機関によるBBB格上位程度の評価以上に、実質的な信用評価の安定性は高い可能性がある。シニア債投資は、安定的なリターンを生みやすいと考える。
  • 一方、同社には過去に旧アレバを吸収した原子力発電所の建築や管理事業を営むフラマトム部門がある。フランス国内で13年もの遅延を抱えたフラマンヴィル3号機は、建設費だけで当初想定の4倍、資金調達コストを含めば7倍近い4兆円強の費用を要した。フランスのヒンクリーポイントCの建設事業における遅延や、フランス国内追加発注される予定の新型原子炉(EPR2)などが抱える潜在的な賠償費用や契約コストの切り下げ契約、原発の建築費用のさらなる拡大可能性などを考えると、原発の建設機数が増えるほど、潜在的な財務負担は拡大しうる状況にある。非常時において、旧アレバのように会社分割による電力供給会社の安定存続が図られる場合に永久劣後債は配当額が著しく切り下がった状況で長期間放置される潜在リスクも存在する。
  • こうした観点から、特にイギリスでの電力供給単価が急激に引き下がられる2033年より前の2030年程度までの劣後債投資で安定したキャリーを獲得する戦略は機能しうる。しかし、初回コール日の2033年まで保有を考えた場合には、その前の段階で原発が完成し営業運転を開始していない限り、いずれかの時点で永久劣後債の時価は急落する可能性もある。こちらの債券はB格相当の低信用力の債券との認識が必要で、シニア債とは全くベルのリスクプロファイルと認識しておく必要があるだろう。

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