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ドイツ銀行  訴訟リスクをどう見るか

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本動画では、ドイツ銀行のY2024 Q2までの決算と、今回の決算で注目された訴訟リスクや規制強化に伴う信用コスト増大リスクに関するアップデートも行います。

ドイツ銀行債の投資評価方針

  • 個社要因(財務指標等)は事業構造改革により改善を継続。投資評価のプラス要因。
  • 外部要因(訴訟、経済減速、規制強化)は、投資評価のマイナス要因。

ドイツ銀行の個社要因(FY2024 Q2決算概要と、財務面からの評価)

  • 2019年以降、事業構造改革を継続により、純収益は安定成長。
  • 主要3セグメントのうち、投資銀行事業は大幅な増収。コーポレートバンク事業とプライベートバンク事業は横ばいと減収。
  • FY2024 Q2には税前利益が1/4程度に急減。訴訟引当金の計上による影響を除けば、おおむね近年の水準を維持。税前利益率もFY2024 Q2に5.4%に急落したが、同一時影響を除くと、23.0%と従前なみの利益率を維持。
  • 利益率は欧州主要行に比べ低いが改善を継続。ソシエテジェネラルよりは上位に逆転。

ドイツ銀行に影響する外部要因

  • ドイツ銀行の信用力に影響しうる3つの外部リスク要因について考察。
  • ポストバンク訴訟による賠償金積み増しリスクは、Q1決算の公表直後に顕在化。過去の買収取引に関連しているため、賠償債務の上限は収まりやすい。ただし、裁判費用(弁護士費用)は今後も継続して必要。
  • 監督当局が実施するストレステストにおいて、マクロ経済へのストレスが生じてもAT1債のベイルイン可能性は充分に抑制。ただし、ストレス時におけるドイツ銀行のコール・スキップや一時的な配当停止可能性などは、他の欧州主要行よりも高い。
  • ECB(欧州中央銀行)では、主にレバレッジド・ファイナンスの質的劣化に備えて、検査を厳格化し、銀行に大幅な引当金の積み増しを求めることを検討。企業向け与信を得意とするドイツ銀行では、同監督強化による悪影響をより強く受けやすい可能性も。

ドイツ銀行債の投資評価

  • ドイツ銀行の発行体格付けはそれぞれ2度の格上げを受け、2024年までにA/A1/A-格まで回復。現在の発行体格付けは、主要米銀と遜色ない水準。 (i). Tier2債(期限付劣後債)、TLAC債(非優先シニア債)の投資評価;投資の効用が高い (ii). AT1債(永久劣後債)の投資評価;外部要因による時価下落リスクが存在。投資を開始するには不適切なタイミング。既存の保有ポジションは売却・乗り換えを推奨。

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