【動画】短期円高シナリオが実現する条件とは(2026年8月-9月がターゲット)
本動画では、2026年8月中旬から9月にかけて、短期に一時的な円高シナリオが実現する条件について考えます。
円高シナリオの焦点はエネルギー価格である
- 足元のドル円相場では、円安方向の圧力が強い状態が続いている。しかし、今年8月半ばから9月末にかけては、一時的に円高へ振れる可能性にも注意が必要である。鍵を握るのは、米国のインフレ懸念を押し上げているエネルギー価格の動向である。
- 米国では、原油価格そのものは開戦前の水準にかなり近づいている一方、ガソリンやディーゼル燃料の価格はなお高止まりしている。背景には、米国の燃料流通構造がある。原油価格の下落がすぐに小売価格へ反映されるわけではなく、卸売市場や在庫の置き換わりを経て、時間差を伴って価格が調整される仕組みである。そのため、現時点では燃料価格が生活費を圧迫しているが、在庫の入れ替えが進めば、9月末頃には価格が正常化する可能性がある。
インフレ懸念の後退がドル安要因となる
- 米国の消費者物価指数を見ると、総合指数は高めに見えるものの、食料品とエネルギーを除いたコア指数は比較的落ち着いている。つまり、現在のインフレ懸念の大きな部分はエネルギーに由来しているのである。仮にガソリンなどの価格上昇が沈静化すれば、米国のインフレ懸念は急速に後退する可能性がある。
- そうなれば、市場では米連邦準備制度理事会による追加利上げ観測が弱まり、場合によっては利下げの可能性が意識されることになる。金利面でのドル買い材料が薄れるため、ドル円には円高方向の圧力がかかりやすくなる。
投機ポジションの巻き戻しにも注意が必要である
- もう一つの焦点は、短期筋による円売り・ドル買いポジションである。足元では、先物やオプションを使った投機的な円売りが積み上がっており、これが円安を加速させる要因となっている。
- しかし、こうしたポジションは維持コストがかかるため、長期にわたって保有されにくい。米国のインフレ懸念が後退し、利下げ観測が浮上すれば、投資家が一斉にポジションを解消する可能性がある。その場合、ドル円は短期間で大きく円高方向へ動くこともあり得る。。
ベースシナリオは一時的な円高である
- 今後の為替見通しでは、ホルムズ海峡をめぐる情勢が重要である。和平交渉が進み、通行の正常化が続けば、世界のエネルギー需給は改善し、米国のインフレ懸念も和らぐ。この場合、ドル円は現在の水準から一時的に円高へ振れ、158円台や157円台に向かう展開も想定される。
- 一方で、戦闘が再激化し、ホルムズ海峡の通行に再び支障が出る場合は、エネルギー価格の高止まりが続き、円安圧力も残ることになる。その場合、164円程度まで円安が進む可能性も否定できない。ただし、円安が無制限に進むとは考えにくい。短期的には円安の継続と円高への反転、双方のシナリオを見極める局面である。