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為替 | 市場分析・見通し

【動画】ドル/円為替レートの見方|円安を止める材料は?

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2026年に入り、ドル/円相場は1ドル=160円前後の円安水準で推移している。従来であれば、日米金利差の縮小が円高要因として意識されてきた。しかし、現在の為替市場では金利差だけでは説明できない局面が続いている。本稿では、円安が続く背景と、円安を止める材料について整理する。

為替市場は「円」よりも「ドル」を見ている

最近のドル/円相場は、日本固有の要因よりもドル全体の動向に左右されている。トランプ政権の関税政策によって一時的にドル安が進んだものの、中東情勢の緊迫化を背景に、安全資産としてのドルへの需要が再び強まっている。

ドルは長期的に見ても依然として強い

短期的にはドル安局面もみられるが、20年程度の長期でみれば、ドルの水準は依然として高い。米国経済の底堅さや国際決済通貨としての信認の高さが、ドルを支える構図に大きな変化はない。

地政学リスクがドル買いを後押し

為替市場では、「米国の関税政策」「FRBの金融政策」「日銀の利上げ」など、さまざまな材料が議論されている。しかし、現在それらを上回る影響力を持っているのが地政学リスクである。特に中東情勢の悪化は、世界経済の不確実性を高め、安全資産としてドルが選好される要因となっている。

原油価格だけでは安心できない

足元では原油価格が落ち着く場面もみられるが、市場は楽観していない。米国とイランの交渉には、ホルムズ海峡の通行問題や金融制裁の解除など、多くの対立点が残されているためである。市場は、中東情勢が再び悪化するリスクを織り込み続けている。

日米金利差の影響は小さくなった

かつては日米金利差の縮小が円高につながりやすかった。しかし現在は、為替ヘッジコストの上昇により、日本の機関投資家が米国債への投資を増やすメリットが低下している。その結果、金利差の変化が為替を大きく動かす時代ではなくなっている。

株式市場への資金流入が円安を支える

一方で、米国株への投資資金は依然として流入が続いている。成長期待の高い米国株に向かった資金は、日本に戻りにくく、結果として円安を支える力となっている。

非常時には金利差の説明力が低下する

ドル/円、ドル/ユーロ、ドル/ポンドの過去の推移をみると、平時には金利差と為替の間に一定の相関があった。しかし、地政学リスクが高まった現在のような非常時には、その相関は大きく低下している。市場参加者が重視する材料が、金利から安全資産需要へと移っているためである。

実質金利では円資産の魅力が改善

さらに注目したいのが実質金利である。物価上昇率を考慮すると、日本の長期金利の魅力は以前より改善している。5年から10年程度の期間では、実質ベースで米国を上回る局面もみられるようになった。

それでも円高が進みにくい理由

もっとも、実質金利が改善したとしても、直ちに円買いが加速するわけではない。市場では依然として地政学リスクやインフレへの警戒感が強く、資金の流れを大きく変えるまでには至っていない。

円安を止める材料は何か

円安を止める最大の材料は、中東情勢の沈静化である。ホルムズ海峡を巡る緊張が和らぎ、エネルギー供給への不安が後退すれば、一時的に円高方向へ戻る可能性がある。ただし、世界的なインフレ圧力やドルの信認の高さを考慮すると、140円台への大幅な円高は容易ではないだろう。今後のドル/円相場を考える上では、日米金利差だけでなく、地政学リスクと世界的なインフレ動向を総合的に見極めることが重要である。

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上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

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