カテゴリーを選択する

政治・外交 | アメリカ

【動画】イラン和平協議と荒れる金融相場

  • #インフレ
  • #為替

記事をシェアする

6月24日から27日にかけて米国・イランの相互攻撃が発生、その後29日に交渉への復帰が公表された。6月17日の米イラン暫定合意(MOU)の合意事項のうち、特にホルムズ海峡の「安全航行」を誰がどう管理するかをめぐる解釈対立が直接の火種となった。本動画では、覚書(MOU)締結から、6月24〜29日の再衝突に至る背景、攻撃の応酬の経緯、暫定合意/停戦復帰の流れ、アメリカのガソリン価格がなぜ下がらないのか、なぜアメリカが交渉でイニシアチブを取れないのかを整理し、金融相場への影響について考察する。

わずか11日間で停戦合意の覚書(MOU)に反する事態が起きた理由

  • 今回の戦闘が再燃したきっかけは、弊社の過去レポートでも重ねて注意を促した通り、6月17日の米イラン暫定合意が、多くの不一致点や認識の相違(通航ルート・管理権・通航料・凍結資産・レバノン戦線など)が残ったまま、単に先の交渉に先送りされたものだったこと。
  • 交渉開始後すぐにホルムズ海峡に関する条項(暫定合意で通行可能なルートが、イランよりの北側か、米・オマーンが進める南側か)をめぐる対立が発生、米国主導の経済制裁で差し押さえられたイランの凍結資産の開放スケジュールや規模についても対立。

再開されたMOUに基づく「交渉」内容

  • 相互攻撃の停止/米国の海上封鎖解除・妨害停止
  • 技術協議の再開;本来は核問題を含む技術協議の予定だったが、6月末の再開協議では、ホルムズ海峡の実務管理、通航ルート、安全保証、米軍とイラン革命防衛隊(IRGC)間の連絡線 などが主な論点に移っている状況
  • 凍結資産・制裁・核問題の協議継続

なぜアメリカは交渉においてイニシアチブを取れないのか?

  • 原油価格が下がっても、アメリカのガソリン価格下落までには時間がかかる(日本とは異なる市場構造)
  • その間に原油価格が再度上昇すれば、輸送費などを介してインフレが高まる懸念がある
  • イランは状況を理解しており、アメリカとの協議が自身の要求からずれれば、ミサイル一発で危機状況を再現可能
  • アメリカのガソリン価格上昇は、消費者物価と個人消費の双方に悪影響
  • 中間選挙や米軍駐留費を考えると、時間的制約を抱えるのはアメリカ

今後の金融相場への影響

  • 現在のよう停戦と交渉について不安定な状況が維持されることは、アメリカよりもイランにとって有利な交渉状況。「インフレ懸念」という、アメリカ経済に歪みをもたらす脆弱性を、イラン側が対外交渉に活用しようとすることにより、当面2か月(60日間)の交渉期限ぎりぎりまで、不安定な相場環境は継続しやすい。円安も解消しにくい。
【レポート】「米イラン停戦覚書(MOU)」最終「和平合意」に近づいたとみるには時期尚早か?

調査レポート

【レポート】「米イラン停戦覚書(MOU)」最終「和平合意」に近づいたとみるには時期尚早か?

上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

免責事項

  • 本サイトは証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘や紹介する個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断は投資家ご自身でおこなってください。万一、本サイトの情報に基づいて投資した結果、お客さまが損害を被ったとしても本サイトの運営会社は一切その責任を負うものではありません。
  • 本サイトの内容は作成時点のものであり、信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成したものですが、正確性、完全性を保証するものではありません。
    本サイトに記載の情報、意見等は予告なく変更される可能性があります。