90ドルから始まった『ピーナッツ』の長い旅(10月2日)
漫画『ピーナッツ』が世に出た日
10月2日は、漫画『ピーナッツ』が世に出た日です。1950年のこの日、チャールズ・M・シュルツが描く子どもたちの物語は、米国のわずか7紙で連載を始めました。最初の1カ月の原稿料は90ドル。今では世界中で親しまれる作品も、始まりはささやかなものでした。原型になったのは、1947年から地元紙に描いていた『リル・フォークス』という漫画。シュルツは美術学校の講師をしながら売り込みを重ね、何度も断られた末に、全国の新聞に作品を届ける契約をつかみました。ただ、似た題名の漫画があったため、配給会社が『ピーナッツ』に改題。実は本人、この題名を気に入っていなかったそうです。 (出所)
完璧ではなく、弱さもある仲間たち
7紙から始まった漫画は、やがて75カ国に広がり、40を超える言語に翻訳されました。愛されたのは、スヌーピーのかわいらしさだけではないのでしょう。野球で負け、恋もうまくいかないチャーリー・ブラウン。難しいことを語るのに、安心するための毛布は手放せないライナス。犬小屋の屋根で、飛行士や作家になった自分を空想するスヌーピー。みんな、どこか不器用です。子どもたちのやり取りを読んでいるはずなのに、大人の自分にも思い当たることがあります。頑張っても報われない日があり、気の利いた答えが見つからない日もある。それでも翌日には、また友達に会い、いつもの暮らしが続いていきます。そんな姿に、少し気持ちが軽くなるのかもしれません。

ソニーグループがピーナッツHDの持分を取得
長く親しまれてきた物語を、次の世代へ届ける動きも続いています。ソニー傘下の2社は2026年3月3日、ピーナッツ・ホールディングスの持分約41%の追加取得を完了したと発表しました。2社を合わせた持分は80%となり、残る20%はシュルツの家族が保有しています。ソニーは『ピーナッツ』を、長く愛される知的財産という意味の「エバーグリーンIP」と位置付けています。映像や商品、テーマパークなど、作品との出会いの場所はさまざまです。子どもの頃に漫画を読んだ人が、今度は自分の子どもとスヌーピーのグッズを選ぶ。そんな楽しみ方もあるでしょう。懐かしさを大切にしながら、新しいファンを迎えていく。その積み重ねが、息の長い事業を支えていきます。(出所)
飛行士になりきっていた犬が本物の宇宙船に
1969年5月、アポロ10号の指令船は「チャーリー・ブラウン」、月着陸船は「スヌーピー」と名付けられました。月着陸船には、初の月面着陸に先立って着陸予定地を「探り回る(snoop around)」役目があり、そこから名前が選ばれたそうです。月面から約15キロまで近づいた後、両船が再びドッキングすると、飛行士は「スヌーピーとチャーリー・ブラウンが抱き合っている」と報告しました。連載開始から19年、犬小屋の屋根で飛行士になりきっていた犬が、本物の宇宙船の名前になったのです。(出所)
