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【レポート】トランプ大統領の経済観 : なぜFRBに利下げを求めるのか

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【レポート】トランプ大統領の経済観 : なぜFRBに利下げを求めるのか

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トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)に対し強い調子で利下げを求める発言を繰り返している。利下げを行わなければ、貿易赤字国との取引を停止するとも主張している。このロジックの背景にある、経済観とその背景の理論、前提条件の違いを解説する。

トランプ大統領によるFRBへの主張内容

1.金利が1ポイント上がるごとに米国は年間6500億ドルの損失を被る。

2.アメリカは世界で最も低い金利を持つべき。

  1. FRBは、愛国者らしく振る舞うべき。高金利は米国を非常に不公平な立場に置く。

  2. FRBが金利を引き下げなければ、赤字のある国との貿易を停止する。

  3. 米国最高裁判所は、「大統領」に貿易停止を命ずる絶対的な権利があると認めている。

トランプ氏の主張とアメリカ政府の公式スタンスのギャップ

  • トランプ大統領の主張と各政府機関による説明内容には、整合性がない。
  • ただ根回しなしにトランプ大統領が大統領令に署名する可能性はある

大統領に貿易停止権限はあるか?(最高裁判決内容の確認)

  • 判決内容、IEEPAの条文のいずれにも、「国内のFRBが利下げしない」という事情に基づき、外国との禁輸を行う法的根拠はない。

アメリカの金利は低くあるべきか?

  • 経済的に見た、トランプ大統領の主張の飛躍は、(1)信用スプレッドが低くなることと、インフレ抑制のために動かす政策金利(無リスク金利)を混同、(2)貿易停止で外国に損害を与えても輸入品・部材不足の価格上昇で、むしろFRBの利下げを難しくする可能性があること。

トランプ氏の経済観は、どこから来たか?

  • トランプ氏の経済観の源泉は、ムーアとラッファー(過去の政策顧問)の主張を土台に。
  1. 政府の政策で国内生産能力が増える(供給増)
  2. 従来より、高い成長率でも物価は安定する。経済成長はインフレを引き起こさない
  3. この状況でFRBが従来のデータを前提に金利を高く保つと、実現可能な成長を妨げる。

トランプ氏の経済観と経済理論に欠ける前提

  • トランプ氏の決定的に欠けているのは、米国内での「供給力の増加」、言い換えればAI/IT関連以外の広範な業態における投資増・雇用増。
  • 日本に対する円高誘導で、戦略投資の加速を求める動きなども、前提不足を補う動きか。
  • 仮に、貿易赤字国との交易停止といった施策の実現を、本当に明らかにする場合、また、米国への資本拠出や生産移転を条件として出してくる可能性が高い。
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上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

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