【レポート】米銀ストレステスト(DFAST)の結果と米国銀行株式・債券への影響評価
2026年6月24日、連邦準備制度理事会(FRB)は、米国の大手銀行などの主要金融機関を対象としてストレス・テスト(DFAST) の結果と、2026年における監督規制の特殊性、及び米国の銀行が発行している株式・社債への影響について考察する。
ストレステストとSCBとは何か?
前提となるストレステストと規制資本要件のSCB(ストレス資本バッファー)について概説。
2026年のストレステストが例年と異なる点(SCBが非更新)
- FRBは、2026年ストレステスト結果に基づくSCBの更新を、丸1年先送り(2027/9末まで)。
- 各大手米銀は、約1年の間、規制資本要件に圧力をかけるような財務アクションをとることが許された形
2026年ストレステストの結果:資本比率の低下幅は小さいが、損失額は大きい
- 資本市場へのショックが大きくても、米大手銀行の資本は充分に頑健であり、金融システム全体を揺るがすほどではない。損失の発生源はクレジットカード、商工業向け貸出(C&I)、商業用不動産が中心であり、ノンバンクの損失拡大可能性が相対的に高い。
- ストレス耐性が最良の銀行は、ブローカレッジ主体のチャールズシュワブ、次いでカストディアン業務を行うバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY)とステート・ストリートが続く。
- ストレス耐性が最悪の銀行は、キャピタル・ワン(低所得顧客層向けカード事業が大きい)、シンクロニー・ファイナンシャル(高利回りカード事業と消費者信用主体)、ファースト・シチズンズ(商工業向け貸出(C&I)、商業用不動産(CRE)のエクスポージャーが大きい)の3社。
2026年DFASTの特別な処理による米銀の株主還元への影響
- 2026年の特殊な規制環境下で、主要銀行の株主還元行動が変わっているかどうかを確認。
- 大手銀行ではおおむね配当増による株主還元を計画。
- 自社株買いに踏み込む銀行は限定。JPモルガン、モルガン・スタンレー、シティは計画済。
2026年米銀ストレステストと大手銀行の株式・社債への潜在影響
- SCBの維持は2026年だけの特殊状況。逆に、2027年6月に公表される翌年のストレステスト結果では、2年分の累積ストレスにより、さらに格差が広がっている可能性も
- 株式投資の観点で上方サプライズが残っている可能性があるのはシティグループ、JPモルガン、モルガン・スタンレーなど。
- 社債投資の観点で、シニア債(TLAC債)のスプレッドには、あまり影響しにくい。しかし、AT1債など下位劣後債では、バンク・オブ・アメリカやシティグループの信用スプレッドは相対的にワイド化する余地がある。
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