3月の日銀政策決定会合のポイントと、国内金利見通し
本レポートでは、2026年3月に開催された日銀政策決定会合を受け今後の金融政策の動向と相場予想、債券投資戦略に関する弊社の考え方を示す。
2026年3月の日銀政策決定会合リリース、総裁記者会見のポイント
- 3月19日の日銀政策決定会合では、賛成8、反対1で、日銀の現行金融政策を維持。無担保コールレート目標は0.75%程度で据え置き。
- 3月の政策決定会合では、「コストプッシュ(原油高)の一次効果」と、「基調的物価(賃金・期待・需給を通じた持続性)」との見方を明確に分けて論じていた。
- 前回(1月会合)との主要な変化:(i)関税が企業収益に与える影響を“現状認識”として書き込み。(ii) リスク要因に「中東情勢の展開や原油価格の動向」を追加し、原油高のコストプッシュがコアCPIのみならず「基調的な物価上昇率の見通し」にも影響し得る点を明記。(iii) “基調的物価”の不確実性が高まる局面を前提に、コア指標拡充など情報発信の強化方針。
各種経済データが示す状況
- 2026年1月のCPI総合指数の前年比は+1.5%(2025年12月は+2.1%)と、ペースダウン。
- 物価(全国CPI総合)の変動に寄与した主な項目は、(i)生鮮食品(-2.7%→-6.9%)、(ii)エネルギー(-3.1%→-5.2%)、 (iii) 生鮮食品を除く食料(6.7%→6.2%)など。
- 賃金上昇率は、5人以上の事業所では名目+3.0%に対し実質は+1.4%、30人以上の事業所では名目+3.5%に対し実質は+1.8%と、実質所得が上昇に転じた。2026年1月の完全失業率は2.6%→2.7%と悪化。
弊社の国内債券利回り・為替見通し
- 2026年1月の金利上昇は財政政策への不透明感から生じていたが、今回の2026年3月の金利上昇は石油輸入の不安定性に起因した実体経済の悪化を一部織り込んだもの。地政学の状況次第で、改善も悪化もあり得る状況。
- 今回の政策決定会合では、あえてタカ派のイメージを強くしたメッセージが示されていたのは、市場に不安感を抱かせないため。実際には、先が読めない地政学リスクは、別シナリオとして並列に検討している。
- ペルシャ湾岸の問題が早期に解決すれば、10年国債金利は、2026年を通じて2.2~2.6%程度のレンジに留まると想定。
- 6月末のドル/円レートは、ホルムズ海峡の自由通航が4月中旬までに解消した場合は156円、6月末も未解消の場合は171円。メインシナリオは164円と想定。