制度的要因から見る超長期利回りのトレンド転換タイミングは?
本レポートでは、ここ最近の超長期債利回りの押し上げ要因について確認する。
- 足元では、日本の相場が株高・円安・金利高(債券安)のトレンドを強めているが、この超長期債利回りの押し上げ要因のうち制度的なテクニカルな需給要因は、2026年3月末までに一服し、4月以降はトレンドの抑制や転換につながる可能性がある。そこまでに充分に利回り水準が上昇すれば、金利高と円安傾向もピークアウトして反転し、円高傾向に転じやすくなるだろう。ドル建て運用資産の一部を円資金に戻したい場合などには適切なタイミングとなりうる。
- 以下では、生命保険会社の行動に連動して生じてきた需給要因とその解消可能性について解説する。
足元の相場動向と国債利回り
- 現在の国債金利上昇には、ファンダメンタル的な理由もあるが、高市政権の誕生前の2024年頃から超長期(20~40年)の国債金利の上昇が先行し、2~10年の国債金利の上昇をけん引してきた。
国債相場の下落を牽引する超長期債利回り
- 国内金利上昇における超長期金利の影響を、イールド・カーブ形状の推移により確認する。10年金利の上昇は、20/30年金利の上昇とカーブのバランスを取る形で生じていた。
超長期国債の主要プレイヤーである保険会社・年金基金
- 日本の超長期国債市場への参加者は限定されており、中でも利回りの増減に最も影響するのは生命保険会社の行動である。
生命保険会社の新監督基準適用が超長期金利を押し上げか
- 日本の生命保険会社では、主要な監督指標を2026年3月末から新たな監督基準に移行する。この制度移行が、生命保険会社の超長期国債の購入を難しくし、需給面からの超長期債金利の上昇要因となってきた可能性がある。
国内生保は超長期債の購入を積極化するのか
- 保険会社に関する監督制度の移行をまたいだ2026年4月以降は、テクニカルな需給要因が抑制される可能性がある。それまでに国債金利と物価上昇率との差が充分に縮まるか解消していれば、国債金利だけでなく為替の円安傾向の円高への反転のきっかけともなり得る。