2026年の円建て資産運用:インフレ下における債券投資を考える
本レポートでは、個人投資家がインフレ下の経済で、中長期の保有を前提とした円債投資を行う場合に考慮すべきポイントを整理する。
金利のある日本市場と、日米債券利回りの比較
- 2025年後半以降、日本国債の利回りはすべての年限で上昇(債券価格の下落)が加速しつつ継続。
- 日米国債の名目利回り格差はすべての年限で大幅に縮小。
- 足元のCPIを用いて、日米国債の実質ベースの利回り格差を比較; (i) 米国債は、すべての年限で実質利回りがプラス(インフレ下でも保有価値あり) (ii) 日本国債は、10年以下の債券の実質利回りはマイナスに留まる。(インフレ下での保有により実質減価が生ずる可能性)
- 実質利回り格差で見れば、ドル円レートが円安に振れるのは自然な結果。
政策リスクと「信認」の意味
- 超長期国債の利回りは米国では安定、日本では上昇を継続。イールドカーブの傾きも例を見ない水準まで進む。
- 日本国債の利回り上限を想定すると、10年国債で3.08%、20年国債で4.67%に達するまでには、円債に対する投資ニーズが高まりやすい。
- 財政政策に対する「市場の信認」の低下を議論する声が多い。 (i) 政権(積極財政派)の政策メリットは、国内消費の増大や経済成長に向けた明確な政策があること、デメリットは野放図な支出拡大と財政の肥大化につながる可能性があること。 (ii) 一方、財政規律派の政策メリットは、市場参加者が債券需給を読みやすく金利の見通しを立てやすいこと、デメリットは、国家運営の視野や施策を伴わず、政策実施の結果改善に向けた自助努力が働きにくいこと。
- 市場が高市政権の政策のプラス影響を織り込めば、円債の投資価値が高まりやすい。政策のマイナス影響をより強く織り込めば、ドル債の投資価値が高まりやすい。
個人投資家にとっての円債投資のハードル
- 現在、円建ての国債・社債では、利回りの高い超長期債への投資機会が、個人投資家にはほとんど開放されていない。ただし超長期国債アクティブETFの上場が東証に承認されるなど、2026年には個人投資家にも長期の円利回りに即した投資機会を提供しようとするさまざまな動きが広がる可能性もある。