米ドル建て債券市場動向 週次 2025年12月5日から12月12日まで
本レポートでは、2025年12月5日から12月12日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年12月8日から12月12日まで)
- FOMCでのパウエル議長の見解やドットチャートに示された2026年の想定利下げ回数の減少などを受け、債券市場ではインフレ懸念と今後の利下げ回数の減少を想定。超長期金利はさらに上昇。一方で、短期金利についてはさらなる利下げを織り込み若干の低下。短期金利は株式相場のさらなる金融緩和期待と連動。長期・超長期の債券市場ではむしろ金融緩和にむけた政策転換のペースダウンを織り込んでおり、株式・債券市場間で当面の見方が分かれた形。
- 債券の店頭取引市場では、クリスマス休暇前の最後の取引機会にポジションリスクを圧縮する動きが続く。今週が、今年のアクティブな取引の最後の機会に。
米国国債市場
- 直近(12月12日)の10年国債利回りは4.18%と前週比で+0.049%の上昇、4週比(11月14日)では+0.036%の上昇。
- 2年利回りは-0.038%低下したが、20年国債は+0.057%上昇と、イールドカーブの傾きは急に(スティープ化)。
米国社債市場
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では2年債、投機級債では2年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件はエネルギーセクターのShell Finance US Incの63.5億ドルの起債。2番目は、エネルギーセクターのVenture Global Plaqueminesの30億ドル。3番目は、ヘルスケアセクターのNational Mentor Holdings Incの12.75億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はシティグループによる25億ドル。2番目は、テリュースによる15億ドル。3番目は、ヤプ・クレディ銀行による5億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はモルガン・スタンレー・プライベート・バンク、次いでJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、ゴールドマン・サックス・グループだった。
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはオラクルで、メルク、メタ・プラットフォームズがそれに続いた。
- 投機級債ではVenture Global LNG Inc債の取引額が多かった。