米ドル建て債券市場動向 週次 2025年11月14日から11月21日まで
本レポートでは、2025年11月14日から11月21日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年11月17日から11月21日まで)
- 政府機関再開に伴い遅れて公表された経済指標は、ポジティブ・ネガティブの両材料を含む。米国経済は必ずしも急減速しにくい状況は確認されたが、市場の見方は分かれる。
- 株式相場の短期トレンドが、債券市場に影響を与える状況が継続。株式相場では弱めの経済指標が12月利下げを誘導との思惑から11/21以降の相場の反転上昇に。
- ただし、債券市場の見方は一様ではない。(i)米国債相場では、短期・中期は再度利下げを織り込むも、超長期では利下げに慎重なスタンスを維持。(ii)社債相場では、信用リスクの抑制された投資適格債の見方は変わらず、投機級下位(B格以下)だけが、株式相場に連動する形。20年超の投資適格上位(A格以上)の社債は、引き続き、中期の保有を前提とした安定した投資機会を提供か。
米国国債市場
- 直近(11月21日)の10年国債利回りは4.06%と前週比で-0.085%の低下、4週比(10月24日)では+0.063%の上昇。
- 2年利回りは-0.098%低下したが、20年国債は-0.047%低下と、イールドカーブの傾きは急に(スティープ化)。
米国社債市場
- 投資適格内では全年限別・格付別のワイド化幅が+2.3~+3.8bpsと揃っていた。投機級格内でも+8.5~12.0bpsと揃っており、金利が大きく動く中で社債のプライシングを慌てて同様に調整した動きが見て取れる。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では2年債、投機級債では5年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は一般消費財セクターのアマゾン・ドット・コムの150億ドルの起債。2番目は、ヘルスケアセクターのファイザーと金融セクターのモルガン・スタンレー・プライベート・バンクの60億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はKFH Tier 1 Sukuk 2 Ltdによる8.5億ドル。2番目は、RLGH Finance Bermuda Ltdとノーザン・トラストによる7.5億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはオラクルで、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムがそれに続いた。