【ショート】オラクルの不可抗力条項は他のAI企業に広がるの?
プロジェクト・ジュピターで不可抗力条項を通知
- オラクルが開発案件について不可抗力条項の通知を出した。対象となったのは、オラクルがOpenAI向けに建設しているAIデータセンター「プロジェクト・ジュピター」である。ロイター報道によれば、電力確保の遅れに備えた対応とされている。
- 同プロジェクトには約180億ドルの銀行融資と、ブルー・オウルによる約30億ドルの出資が伴っている。データセンターの建屋自体は許可を取得し、工事が進んでいる。一方、発電設備については大気汚染などに関する環境審査が必要であり、裁判所による差し止めも発生した。差し止めは一旦解除されたものの、発電設備に必要な許可の取得には至っておらず、先行きが見えにくい状況となっている。
- 不可抗力条項の通知によって、オラクル側には支払いなどを延期できるメリットがある一方、プロジェクトに出資する投資家や融資を行う銀行にとっては厄介な問題となる。ただし、現時点で融資契約のデフォルトは確認されていない。
AI投資の遅延は周辺企業にも波及する
- 問題は、AIインフラ工事の遅延がオラクルだけにとどまらない可能性があることである。AIデータセンターの建設が遅れれば、発電・電力インフラ、半導体、サーバーなどの設備を供給する企業に影響が及ぶ可能性がある。さらに、資金を提供する銀行、プライベートクレジット、インフラファンドなどにも損失が広がる可能性がある。
- 主要なハイパースケーラーは、AIサーバーなどに巨額の開発投資を行っているが、そのすべてが貸借対照表上に計上されているわけではない。貸借対照表上の負債だけでなく、オフバランスのリースや将来の支払い約束も存在する。こうした部分の割合はオラクルで約65%、他社では軒並み80%を超えている。今回のオラクルの不可抗力条項の通知は、こうした将来の支払いに対する不安を意識させ、AI投資の成長ペースにも影響する可能性がある。
最終的に問われるのは資金調達力の差
- ただし、AI企業やハイパースケーラーを一括して考えることはできない。各社が生み出す営業キャッシュフローには大きな差があるからである。
- 巨額の投資をどの程度自前の営業キャッシュフローで賄えているかを見ると、Microsoftはその多くを営業キャッシュフローによって賄っている。一方、オラクルは借り入れなど、財務キャッシュフローへの依存度が非常に高い。
- さらに、巨額の現金投資を営業キャッシュフローだけでなく、社債などで調達した資金まで含め、今後返済しなければならない金額との比率で比較すると、MicrosoftやAmazonなどが3倍台にとどまるのに対し、オラクルは10倍を超えている。
したがって、今回の問題が示しているのは、AI投資の拡大そのものだけではない。今後のAI開発競争では、企業ごとの信用力や資金調達能力の差が、これまで以上に大きく影響してくる可能性があるのである。
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具体的な商品例(外部サイト)
| 発行体名 通貨 優先/劣後 償還 永久債 | 利率 | 満期 |
|---|---|---|
| オラクル USD建優先満期一括債 | 2.875% | 2031/3/25 |
| オラクル USD建優先満期一括債 | 4.900% | 2033/2/6 |
| オラクル USD建優先満期一括債 | 5.550% | 2053/2/6 |
| オラクル USD建優先満期一括債 | 6.125% | 2065/8/3 |
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
また、外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けるおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を、JTG証券との相対取引によって購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきま
また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートには差(スプレッド)があり、外国債券の起債通貨によって異なります。。
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