【ショート】米金利上昇相場のひずみと需給要因の読み方
9月FOMCをきっかけに米金利が急上昇
- 足元の米国金利上昇のきっかけとなったのは、9月16日のFOMCである。FOMCでは0.25%の利上げが実施されたほか、同時に示されたドットチャートでは、年内にさらに1回の利上げが示唆された。これを受け、市場ではFRBがインフレ対策を一段と強化するとの見方が強まり、米国債利回りは急速に上昇した。10年国債利回りは一時5.2%程度まで上昇している。
- 米金利上昇に連動する形で、日本国債利回りも上昇した。ただし、その動きは米国ほど急激ではなく、日本の10年国債利回りは3%を超える水準となった。日米ともに金利上昇局面にあるものの、その上昇の仕方には違いがみられる。
日米で異なるイールドカーブの動き
- 米国債市場で特に利回り上昇が大きかったのは5年近辺であり、10年より短いゾーンの上昇が目立った。一方、それより長い年限では短中期ゾーンほど極端な上昇とはなっていない。米国では、金融政策への見方が短中期の金利に強く反映された形である。
- これに対し、日本国債では短期ゾーンの動きは比較的小さく、より長い年限にかけておおむね同程度の幅で金利が上昇した。米国とは異なる形でイールドカーブが変化しており、日米の金利上昇を一括りに捉えることはできない。
ドル円は短期金利差との連動性を回復
- 日米10年金利差とドル円相場をみると、本来は金利差が拡大すればドル高・円安となる関係が想定される。しかし、ここ数年は必ずしもその通りには動かず、為替介入によって一時的に修正されても、その後は再び円安方向への圧力が強まる場面がみられた。ただし、全体としてみれば両者には一定の連動性が確認できる。
- 一方、日米2年金利差では、足元で金利差の拡大と円安がより明確に連動するようになっている。為替介入が行われる局面を挟みながらも、短期金利差とドル円相場の関係が再び整合的な動きを示している点は注目される。
金利上昇を支える需給要因にも注意
- シカゴ投機筋の為替先物・オプションのポジションにも変化がみられる。従来の円ショートを背景とするキャリートレードから、円買い方向へ大きく転じている。示されているデータはFOMC前のものであるため、その後はさらにこうした動きが強まった可能性がある。
- こうした点を踏まえると、利上げムードが強いとはいえ、現在の米10年国債利回りの上昇には行き過ぎた面もある。金融政策だけでなく、ポジションの切り替えなど需給要因も金利上昇に影響した可能性があり、その持続性には疑問が残る。10年国債の買い機会が10月のFOMC前に訪れやすい可能性を指摘。
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