【ショート】短期金融市場が織り込む中銀会合後のドル円相場
円高進行と金利差からの乖離
- 中銀会合を前にしたドル円相場は、円高方向に大きく振れた後、やや戻す展開となっている。ただし、これまでのトレンドと比較すると、足元のドル円は日米金利差からかなり乖離しており、ベッセント財務長官などによる働きかけが効いている状況である。
- 短期的に為替相場を動かしやすいシカゴの先物・オプション市場を見ると、9月1日の週には円を売り越していたが、9月8日の週には円の買い越しへ転じた。ただし、このデータには約1週間の遅れがあり、現在も同じトレンドが続いているかは確認できない。このため、円相場が新たな局面に移ったとまでは判断できない。
米国市場は今後の利上げを織り込む
- 今後のドル円相場を考えるうえでは、翌日物金利、金利スワップカーブ、為替のフォワードカーブが重要となる。
- まず米国市場を見ると、9月14日時点では足元の短期金利自体はまだ動いていなかったものの、その後の利上げを見込んで1週間以降のスワップカーブが大きく上方へシフトしていた。市場は一度の利上げだけではなく、その後も利上げが継続することをある程度織り込んでいる。
- ドルのフォワードレートから市場が想定する短期金利の上昇幅を見ると、リスクプレミアムを無視した場合、1年間で現在の水準から約0.9ポイント上昇することが織り込まれている。
日本は利上げを織り込み切れていない
- 一方、日本の短期イールドカーブを見ると、無担保翌日物金利と1週間先の予想金利はほぼ一致している。その後は金利上昇が織り込まれているものの、足元では日銀による利上げを完全には織り込んでいない状態である。ただし、市場は比較的近い時期に利上げが行われる可能性を意識している。
- 日本の短期金利スワップでも、リスクプレミアムを無視すれば、1年間の金利上昇幅は約0.9ポイントと、米国とほぼ同じ水準となっている。ただし、その経路には違いがある。日本については足元で比較的大きな金利上昇が起きた後、その後の利上げペースは鈍くなり、継続的な利上げは難しいという見方が織り込まれている。
日米金利差は一度縮小した後に再び変化
- 日米の金利カーブを比較すると、当面の短期金利差について、市場が想定する動きには大きな違いがある。
- 日本では、まず1回の利上げが行われた後、さらにもう1回程度利上げする圧力がかかり、短期的には日米金利差が縮小する可能性が織り込まれている。しかし、その後は日本の利上げがほぼ打ち止めになるとの見方が強い。
- 一方、米国ではインフレが続くことを背景に、その後も金利上昇が続くとの想定となっている。このため、当初は日米金利差が縮小したとしても、その後は米国側の金利上昇が差を埋め、最終的には1年後に金利差の変化がほぼフラットになるというのが、現在の短期金融市場が織り込んでいる姿である。
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