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アメリカ経済 | 経済概況

【ショート】米財務省版ツイストオペ、イールドカーブ/為替への影響

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8月19日に、米国財務省では10~30年ゾーンの米国債買い戻しの増額(以下、財務省ツイストオペと表記)を発表。

米財務省による長期米国債買い戻し拡大の背景

  • 財務省ツイストオペの内容は9月からの7回、最低でも280億ドル(140億ドル増額)の長期・超長期国債の買入を行うというもの。
  • 米財務省が、買い戻し政策を通じて長期(10年)・超長期債(20~30年)の価格形成に、より積極的に関与し始める、との意思表示。
  • 発表後には30年米国債利回りが約5.19%まで▲0.12%低下した。10年米国債利回りも4.72%から約4.65%まで▲0.07%低下した(ただし、翌日にはかなり戻した)

過去のツイストオペとの比較

  • アメリカの中央銀行である連邦準備制度(FRB)では、長い年限の金利を引き下げるために、短期の資金調達を増やし、長期の債券を買い入れる「ツイストオペ」を過去2回実行。
  • 10年米国債利回りを▲0.15%程度、または▲0.17~▲0.22%程度引き下げる効果があった。

米国債発行残高と財務省ツイストオペとの比較

  • ただし、今回の財務省オペは、2011年に比べ米国債の残高が3倍に増えたのに対し、買入金額は1/24程度で、10年金利への金利調整効果を持続的に維持しにくい。

FRBの金融政策と連動していない財務省ツイストオペ

  • 過去のFRBオペでは、財務省の資金調達の年限構成は変わらない。しかし、財務省オペでは、米政府の債務の調達年限源が短期化し、1年あたりで借り換えをしなければならない金額が増大する
  • 財務省の借り換え頻度・金額が高まると、レポ金利を押し上げやすい。財務省オペの結果、2年-30年の利回り格差(ターム・プレミアム)が低下している中で、レポ金利が上昇すると、債券のショートポジションを構築しにくくなり、全体として金利の押し上げ効果が働きやすくなる。
  • さらに、社債等の起債増がインフレ加速要因となりやすく、FRBにはタカ派的な政策金利の引き上げ圧力がかかりやすくなる。

為替レートへの影響

  • 米財務省主導のツイストオペは、短期的にはドル安要因となる。
  • しかし、一旦、為替レートの調整が終わった後には、地政学リスクなどの影響により、再度、米ドル高とスイスフラン安や円安などの圧力が高まり、ベースのトレンドを形成する可能性がある。
【レポート】米財務省による長期国債買い戻し拡大の効果

調査レポート

【レポート】米財務省による長期国債買い戻し拡大の効果

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上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

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