【動画】統計が示す日本の個人金融資産運用の動向と変化
デフレ型の資産配分は転換点に
- 日本の個人金融資産は着実に増加している。65歳以上の退職者世帯では、金融資産の保有額が2019年ごろの約2,200万円から、2024年には約2,560万円へ拡大した。一方、その構成は依然として現預金の比率が高く、円建て生命保険も一定割合を占める。
- デフレ期には、元本の値動きが小さい現預金を多く持つことが合理的であった。しかし、物価上昇が続く局面では、名目上の元本が維持されても購買力は低下する。資産の安全性は、価格が下がらないかだけでなく、利回りが物価上昇率を上回るかという実質ベースで評価する必要がある。
実質利回りで変わる日米債券の見え方
- 日本国債と米国債は、表面上の利回りだけを比べれば米国債が高い。しかし、利回りから物価上昇率を差し引くと見え方は変わる。足元の比較では、日本の短期債は実質利回りがなおマイナスである一方、5年以上の年限では前年11月ごろから改善し、プラスに転じている。
- 10年債では日米の実質利回り差がほぼなくなり、20年・30年では日本国債の方が高い状況もみられる。ただし、個人投資家が購入しやすい円建て超長期債は限られる。このため、米ドル建ての中長期債は、利回り資産を確保する選択肢として引き続き重要である。
資産運用は三つの機能で考える
- これからの資産配分は、商品名ではなく「流動性」「成長」「利回り」の三つの機能で整理すると分かりやすい。
- 第一は、入院や住宅修繕など急な支出に備える流動性資産である。現預金は一定額必要だが、すべてを現預金に置けばインフレに負け続ける。第二は、株式や投資信託などの成長資産である。長期的な資産形成には有効だが、生活費として使うには売却が必要となる。
- 第三が、従来の日本の個人資産運用で不足していた利回り資産である。債券などから定期的に得られる利息を生活に活用できれば、元本を維持しながら生活の質を高められる。残った元本を次世代へ承継できる点も重要である。
残高と資金フローが示す構造変化
- 家計金融資産に占める現預金の比率は、約55%から47%程度へ低下している。ただし、現預金の金額そのものが減ったわけではない。現預金も増加したが、それ以上に株式や投資信託の時価が上昇したため、構成比が低下したのである。特に2021年以降は株式の増加が目立ち、個別株の値上がりが金融資産全体を押し上げた。
- また、外貨建て資産の比率は長く2.5%程度で推移してきたが、2022年以降は5%近くまで上昇した。外貨資産をインフレへの備えとして捉える意識が広がったことを示唆する動きである。
- 資金フローを見ると、長年株式を保有してきた投資家は値上がり益の一部を換金する一方、比較的新しく市場に参加した層は、NISAなどを通じて投資信託への積み立てを続けている。さらに、金利のある環境が戻ったことで、債券などの利回り資産へ新たな資金を振り向ける動きも強まっている。
「現預金か株式か」からの脱却
- 日本の個人金融資産運用は、現預金による安全確保と株式による成長追求という二者択一から、利回り資産を加えた三機能型へ移行しつつある。若年層は成長資産を厚くし、年齢が上がるにつれて価格変動リスクを抑えながら債券の比率を高めることが基本となる。一方、インフレへの備えは全世代に必要である。
- 重要なのは、資産額を増やすことだけではない。流動性を確保し、成長機会を取り込み、利息収入を生活に生かすことで、金融資産を保有する目的をより明確にすることである。統計は、日本の家計がすでに「金利のない世界」の運用から動き始めていることを示している。
本サイトに掲載されている情報は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、特定の金融商品(株式・債券・投資信託・FXなど)の購入、売却、保有を推奨するものではなく、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。
金融商品への投資には価格変動のリスクを含む元本割れのリスクが存在します。投資判断は、利用者ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。
本サイトに掲載された情報は、信頼できると判断した情報源に基づいておりますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。
本サイトの情報に基づいて行われた投資行動により生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。
本サイトに掲載されている文章、画像、データ等の著作物は、当社または正当な権利者に帰属します。無断転載・複製を禁じます。
Jトラストグローバル証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第35号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人資産運用業協会、日本貸金業協会会員 第006278号
金融商品への投資には価格変動のリスクを含む元本割れのリスクが存在します。投資判断は、利用者ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。
本サイトに掲載された情報は、信頼できると判断した情報源に基づいておりますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。
本サイトの情報に基づいて行われた投資行動により生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。
本サイトに掲載されている文章、画像、データ等の著作物は、当社または正当な権利者に帰属します。無断転載・複製を禁じます。
Jトラストグローバル証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第35号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人資産運用業協会、日本貸金業協会会員 第006278号