米ドル建て債券市場動向 週次:12月第1週版
本動画では、2025年11月28日から12月5日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年12月1日から12月5日まで)
- FOMC(12/9~10)を直前に控え、債券市場では利下げ期待を必ずしも支持しない相場傾向。長期金利も2週連続の反転上昇傾向。
- 遅れて公表された9月の個人消費は、サービスや非耐久消費財が安定した増加傾向を継続した一方で、自動車・自動車部品の落ち込みが目立った。9月の消費者物価も前年比で+3.0%程度の上昇を継続する中、インフレ懸念は後退せず。半面で、9月の労働参加率は反転上昇傾向を見せており、労働指標は必ずしも一方的な悪化傾向を示していない。
- 少なくとも、3回連続の利下げを要求するほど、経済対策面で緊急を要する 経済環境にはなく、むしろ株式市場における過度な資金供給期待を一旦冷やす方が持続的な経済成長にも悪影響を及ぼしにくい可能性がある点に注意。
米国国債市場
- 直近(12月5日)の10年国債利回りは4.14%と前週比で+0.122%の上昇、4週比(11月7日)では+0.039%の上昇。
- 2年利回りは+0.071%上昇したが、20年国債は+0.128%上昇と、イールドカーブの傾きは急に(スティープ化)。12月の利下げ期待とは距離を置いた長期債市場のスタンスを観測。
米国社債市場
- 社債スプレッドは前週に引き続き、2週連続で全面的なタイト化。投資適格は-2.0~-4.4bps、投機級は-0.5~-14.0bpsのタイト化。B格の信用リスク悪化懸念が大きく後退した形。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では5年債、投機級債では2年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件はヘルスケアセクターのメルクの80億ドルの起債。2番目は、通信セクターのオムニコム・グループの27.6億ドル。3番目は、ヘルスケアセクターのGENMAB A/S/GENMAB FINANCE LLCの25億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はChina Huaneng Group Hong Kongによる10億ドル。2番目は、ロスシー・ライフによる5億ドル。3番目は、SNB Sukuk Ltdによる2.5億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはメタ・プラットフォームズで、メルク、オラクルがそれに続いた。
調査レポート
米ドル建て債券市場動向 週次 2025年11月28日から12月5日まで