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アメリカ | 相場

米ドル建て債券市場動向 週次:6月第1週版

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本動画では、2025年5月30日から6月6日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は6月2日~6月6日まで)

まとめ

  • ISM発表の5月の非製造業総合景況指数は1年ぶりの縮小へ。ADP民間雇用統計の雇用者数の伸びも2年ぶりの低い水準。新規失業保険申請件数も予想外に増加。減速傾向を示しつつも絶対水準はまだ悪化していない状況。
  • 貿易戦争は改善せず。(トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は電話会談を行ったが最終的な解決には至らず。鉄鋼関税を50%に引き上げるが日本製鉄の投資スキームの最終化には至らず。米国は貿易相手国に対し、関税に関する最善案を先週中に提示するよう要請。)
  • OBBB法案による財政膨張と財政赤字への懸念は解決に向かわず。
  • 6月のFOMCではサプライズなく、政策維持の可能性大。7月に市場の不透明要因が現実化する可能性がある中での小康状態を、今週も継続か。

米ドル建て債券価格動向

  • 金利水準は反転上昇。ただし、短期・中期は上昇するも超長期の金利はあまり動かず、イールドカーブがフラット化。
  • 社債スプレッドは、投資適格では短期がタイト化、投機級では長期がタイト化。
  • BBB格の投資適格債が相対的に割安な状況は変わらず。
  • 金融機関の投資適格債で、最も下落したのはロイヤル・バンク・オブ・カナダ。6月4日にカナダ中央銀行(BoC)は政策金利を 2.75%の据え置きと決定した際、さらなる利下げ(7月以降)の可能性を示唆。銀行の収益性の低下懸念から、カナダの銀行の中期債価格に影響が生じた。

米ドル建て債券起債動向

  • 前週に優先債で起債額の特に大きかった案件は、6月2日に発行したエネルギーセクターの「サウジ・アラビアン・オイル」の50億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は5~30年。「サウジ・アラビアン・オイル(通称アラムコ)」の起債は非常に人気で、通常、米ドル建て債の新発社債に求められるConcession(起債時プレミアム)もほぼゼロでの起債となった。
  • 次いで起債額の多かった案件は、6月3日に発行した通信セクターの「AT&T」の35億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は5~31年。AT&Tの起債は、一般的な借り換え目的。発行規模は大きかったが、年金基金や機関投資家が超長期債の国債よりも、長期でスプレッド込みの社債を重視した結果、旺盛な買い需要を観測。
  • 劣後債の起債案件はなし。

米ドル建て債券取引動向

  • 金融債で最も取引額が多かったのは、「バンク・オブ・アメリカ」で、「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」がそれに続く形。
  • 事業会社社債のうち、投資適格債券では「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」が最も多く、「ゼネラル・モーターズファイナンシャル」、「ユナイテッドヘルス・グループ」がそれに続く形。トランプ関税が、米国内の景気の先行き不安を拡大させ、クルーズ・レジャー・ホテルなどの今後の収益動向に市場の不安が増しており、「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」のスプレッドが乱高下、取引も増加した。
米ドル建て債券市場動向 週次 2025年5月30日から6月6日まで

調査レポート

米ドル建て債券市場動向 週次 2025年5月30日から6月6日まで

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