SMFGの概要と投資評価ポイント
SMFGの事業概要
- SMFGはホールセール事業部門、リテール事業部門、グローバル事業部門、市場事業部門の4セグメントで主な事業を展開し、その他の事業分野は本社管理に計上されている。
- 日本の3メガ銀グループでは事業・収益の規模は、MUFGに次ぐ2番手。
SMFGの事業セグメント別の経営状況
- リテール事業部門の減益を除いて、すべての事業セグメントにおいて、増収・増益。
SMFGの収益力評価 – 評価軸 #1 –
- SMFGの収益フローは拡大しているものの利益マージンは横ばいで推移
- SMFGは直近四半期(FY2023 Q4)では、前年同期比で収益フローが拡大、利益マージンは僅かに改善。長期的にも収益フローは拡大傾向、利益マージンは横ばいで推移している。
SMFGの環境変化への耐性 – 評価軸 #2 –
- SMFGでは、他のメガ銀グループより国内銀行事業の安定性は相対的に高い。
- SMFGでは、粗利益の増加に伴う非金利費用も増加傾向にあり、同費用から見た経費率は横ばいで推移。増収比での費用増加としては妥当な水準ではあるものの、SMFGは預金流入下の環境変化における経営体質強化が不充分。
SMFGの資金流動性とRWA当たり収益性 – 評価軸 #3 –
- SMFGは最もRWAの増加率が高いが、テクニカルな銀行規制対応も影響。規制(資本フロア)対応の遅れから、低収益性資産を削減し高収益性資産を増すイニシアチブでも、みずほFGやMUFGに比べ、遅れている。
- SMFGのRWAあたりの収益性は、3メガ銀グループ内で中位の水準。
SMFGの規制資本から見た健全性 – 評価軸 #4 –
- FY2023 Q4末のCET1資本比率は12.9%(前期比-1.2ポイント悪化)。最低所要CET1比率までのバッファはFY2023 Q4において4.9%(前期比-1.2ポイント悪化)。
- 規制当局の求める最低所要CET1比率は、SMFGとみずほFGは8.0%だが、SMFGではバーゼルⅢ最終化対応の遅れから、8.5%と他行より高い水準が要求されている。
- バーゼル規制最終化基準の適用で、SMFGのCET1比率には、2028年にかけて-2.0ポイントの悪化影響が見込まれている。