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アメリカ | 個別企業(債券)

ブリストルマイヤーズスクイブの概要と投資評価ポイント

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本動画では、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb Co.)(以下「BMS」と表記)の経営状況や主要商品市場の現状を確認し、同社に対するクレジット評価を行う。

BMSの事業概要

  • BMSのFY2023の売上は3割前後をがん腫瘍、免疫疾患、心臓病がそれぞれ占める構成。精神神経疾患(中核神経)領域における収益力強化に注力。
  • 主力商品(ブロックバスター)5つの売上高合計が総売上高の75%以上を占めており、売上上位製品への依存度が高い構造となっている。 これらの商品は、いずれも2024~2030までの間に特許期限が切れる。
  • ブロックバスターの収益機会喪失に対応するため、フェーズIIIまでの創薬ポートフォリオを充実化。FY2024Q1にも大型M&Aが3件を完了。 うち、2件はがん腫瘍疾患領域、残りの1件は精神神経疾患領域におけるシェア拡大が目的。
  • 主力商品が、インフレ対策法の薬価交渉制度の対象となるなど、さらなる減収要因も。

BMSの業績/財務状況

  • 直近四半期(FQ2 2024)における売上高は前年度同期より+8%ほどの増収で12,201(百万米ドル)。 Q2の営業利益は、前年度同期より▲10%ほどの減益で、1,559(百万米ドル)となった。なお、Q1の営業損益は大幅な赤字(3件の大型買収に起因)。
  • 自己資本比率は大型M&Aの実施に伴い、FQ1 2024に▲14.3ポイントほどの大幅な下落がみられ16.7%まで悪化したが、FQ2 2024には18.0%へやや改善。
  • 返済能力の指標である「ネット有利子負債/EBITDA倍率」はFQ1 2024にマイナスに転じたのち、直近四半期では2.87倍となった。
  • M&Aによって得られた創薬パイプラインの収益化が進めば、有利子負債の圧縮が継続的に行いやすくなり、これらの指標も改善される可能性。

BMSの信用格付、及び社債の投資評価

  • BMSの信用格付は、Moody’sからA2格で見通しは「ネガティブ」、S&PからはA格で見通しは「安定的」と評価されている。
  • 弊社では現在のBMSの信用格付けは短期的な財務劣化を反映したものであるが、一定期間の安定経営が続けば元の格付水準に復帰しやすいとみる。
  • また、同社社債の信用スプレッドはすべての年限で、穏やかなタイト化傾向にある。過去の格下げ時も、スプレッドの拡大には結びつかず、同社の信用力に対する市場の信認は引きつづき堅固。
  • 潜在的なビジネスモデルの不安定化要因(ブロックバスターの特許切れ)等を勘案すると、スプレッドはタイトめの評価となっており、若干の割高感がある。他銘柄との相対間では劣る場合も。
  • 同社社債スプレッドの期間構造については償還までの期間が20年くらいまでスプレッドは概ね増加し、それ以降は100bpほどの水準となっている。単体でみれば2053年債など残存20年近辺の債券を推奨。

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