債券Q&A(III-10)|クレジット債投資における分散投資とは?

信用リスクが存在するクレジット債を運用するにあたって、投資戦略上、基本となるのが分散投資です。
仮に同一の発行体の債券だけに投資していた場合、デフォルトが起こった際に大きく元金を失いかねません。また、リスクを抑えるために低リスクの銘柄を買うだけでは利回りが低くなってしまい、わざわざクレジット債に投資する意味がなくなってしまいます。このため様々なリスクに備えつつ、リスクが許容できる範囲内で高い利回りを実現できるように分散する必要があります。
そこで分散投資をする上で重要となるのが分散する指標と分散する際の内訳となります。 まず分散投資する上で何を基準に分散させるのか指標が必要になります。具体的には、業種、地域、年限、格付、債券種別などが挙げられます。
例えば、業種や地域を分散させることで、コロナ危機における旅客航空業など業種全体に共通なリスクや、戦争・災害など特定の地域に起こるリスクなどを低減させることができます。また同類の債券であっても年限をずらすことによって価格変動等のリスクに対応できます。
また、単に市場平均にもとづいて分散させるのではなく、市場平均と比較して比率を増加(オーバーウェイト)または低減(アンダーウェイト)することで、利回りの増加やリスクの低減を行うことができます。
例として、今後不安定になる見込みのある地域・業種の比重を減らし、今後も安定や成長の見込みがある地域・業種の比重を増やすことでリスクの低減することが期待できます。
また格付、債券種別についても、格付の低い社債や弁済順位の低い永久劣後債などハイリスク・ハイリターンな債券と格付が高い発行体の優先シニア債などローリスク・ローリターンな債券に比率を調整することで自分のリスク許容度にあった投資を行うことができます。

例えば、100銘柄に同額を投資し平均利回りが7%であった場合、仮にデフォルトしたとしてもおおよそ7銘柄までに抑えられれば、元金を減らさずに済みます。
そのため、ある程度の信用リスクを許容してハイリスク・ハイリターンな債券に投資する場合には、一定のデフォルトが起きることを織り込み、それ以上のインカムを継続的に得るような戦略もとることが可能です。また、先に述べた通り、デフォルトした場合の損失率が低い(回収率が高い)債券では、もっと多くのデフォルトでも元金に損失が生じにくくなります。