債券Q&A(III-8)|クレジット債である国債とは?

先に基軸通貨国の国債はデフォルトしないが、それ以外の国ではデフォルトが発生することがあるという説明をいたしました(「債券Q&A(II-2)|国債は安全なの?」)。
それでは、基軸通貨国ではない国(エマージング国など)では、どのようにデフォルトが生じるのでしょうか。
一般に、自国通貨建ての債務は自国の中央銀行が国債を引き受けることによって資金調達は可能になるため、インフレが起きる可能性はあったとしてもデフォルトは起きにくいのはエマージング国でも同じです。しかし、相対的に経済規模が小さいローカル通貨を採用している国では、輸入や貿易決済等の経済運営を自国の通貨だけで行うことができません。このため、さまざまな交易の決済のために基軸通貨の外貨を調達する必要が生じます。こうした目的で外国通貨建ての国債を発行し、米ドルなどの外貨を調達する必要が生じます。
しかし、国の信用力が低下すると主要国の金融市場で外貨の円滑な調達ができなくなるため、国レベルで外貨準備が不足すると外貨建ての債務についてデフォルトが起きやすくなってしまいます。
こうした潜在的なリスクを反映するため、基軸通貨国では自国通貨建て債務と外貨建て債務の格付がほとんど変わらないのに対し、外貨調達への依存度が高い一部のエマージング国では自国通貨建て債務と外貨建て債務の格付が異なる場合が存在します。
このため外国政府や政府系機関への債券投資を行う際には、他国(外貨)建て債務の格付を見る必要があります。
2025/12/31時点で、S&Pによる自国通貨建て格付と外貨建て格付が異なる国
