債券Q&A(II-10)|国債投資のメリット・デメリットは?

ここでの国債投資のメリット・デメリットは、基軸通貨国の国債投資を念頭に置いています。
国債運用のメリット
基軸通貨国の国債投資のメリットには、(ⅰ)基本的にデフォルトリスクがないこと、(ⅱ)流動性が高いこと、(ⅲ)取引コストが低いこと、(ⅳ)マーケットインパクトが小さいこと、などが挙げられます。
基本的にデフォルトリスクがない
一般的に企業に比べ国はデフォルト(債務不履行)しにくく、特に基軸通貨国の国債や自国通貨建ての国債は基本的にデフォルトの心配をしなくてよいと言えます。
流動性が高い
国債は流通量が多く常に取引されているため、いつでも売買可能です(流動性が高い)。このため自分の好きなタイミングで投資を行うことができます。
取引コストが低い
売り手が市場から債券を仕入れる際の買値(ビット)と売値(オファー)の差(スプレッド)が国債取引においては小さく、国債は他の金融商品と比べて低いコストで売買することが可能です。
マーケットインパクトが小さい
マーケットインパクトとは売買取引が行われた影響による価格の振れ幅を指します。
国債は残高が非常に多いため、数十億円程度の取引ではほとんど時価への影響がなく、仮に多額の取引が行われ価格が変動したとしても、取引量が多いためその影響は長続きしにくくなっています。
したがって国債は概ね市場のコンセンサスに沿って価格が形成されやすく、市場価格を信用して取引を行うことができます。
国債運用のデメリット
一方でデメリットとしては、(ⅰ)利回りが相対的に低いこと、(ⅱ)期間利回りが急激に落ち込む場合があること、などが挙げられます。
利回りが相対的に低い
基本的にデフォルトリスクがないなど、リスクが小さい分、利回りは相対的に低いと言えます。
期間利回りが急激に落ち込む場合がある
経済構造が短期間で大きく変わるようなときには、過去の経験則が成り立たず、国債の投資期間利回りが一時的に急激に落ち込むことがあります。
例えば、リーマンショック後やコロナ危機など、世界の経済活動が通常の景気サイクルとは異なる要因により大きく停滞した後には、世界の中央銀行が共同で大規模な資金供給を行いました。
こうした混乱状況への対応期とその後の回復期には、歴史的に見ても著しく巨額の資金が世界市場に放出され、また中央銀行に吸収されたり、金融機関の貸出による信用創造機能が一時的に不完全になったりと、それ以外の期間で長年にわたり観測されてきた経験則で説明できないような、市場特性の大きな変化が生じました。
この結果、特に2022年には世界の債券市場全体の期間損益は大きなマイナスとなりました。
国債投資では、年限の異なる債券であっても全体として連動して類似の動きを示すことがあるため、特定のタイミングでは時価変動リスクを回避しにくくなることがあります。
