債券Q&A(I-2)|外国債券とは?

ここでは「外国債券」を、日本国内の投資家が、外貨建てで外国の発行体に投資する債券を中心に説明する。代表例は、米国政府が米ドルで発行する米国債(US Treasuries)です。米国債のうち、トレジャリー・ノートやトレジャリー・ボンドは、原則として半年ごとに米ドルで利子が支払われ、満期には額面の米ドルが償還されます。米国債市場は世界でも特に取引規模が大きく、流動性の高い市場ですが、それだけですべての損失を避けられるわけではありません。このほかに、米国など外国で企業が発行する外国社債もあります。
外国債券への投資が、日本の投資家にとってより複雑となるのは、債券そのものの値動きに加えて、円と米ドルの為替変動が損益に重なることです。米ドルベースで予定どおり元利金を受け取っても、その時点で円高・ドル安になっていれば、円換算した受取額は減少します。逆に、円安・ドル高になっていれば、円換算した受取額は増加します。
例えば、1ドル=150円の時に額面1万ドルの債券を1万ドルで買った場合、円での投資額は150万円です。償還時に1ドル=130円になっていれば償還額の1万ドルは130万円となり、利子や費用を考慮する前でも20万円の為替差損が生じます。反対に、償還時に1ドル=160円になっていれば、円換算額が160万円、為替差益が10万円となり、収益を押し上げます。

さらに、市場金利が上昇(下落)すると既発債の価格は下落(上昇)し、満期前の売却では損失や利益が出ることがあります。さらに、円ベースの収益は、米国債の利回り、購入・売却価格、為替レートに加え、円と米ドルを交換する際の為替スプレッドや手数料、利金への源泉税・為替差損益や売買/償還益への課税などによって変わります。

為替ヘッジ付きの商品(ファンドなど)を使えば、為替変動の影響を抑えることができます。ただし、ヘッジには二つの通貨の金利差などに応じたコストがかかるため、外貨建て債の利回りがそのまま円ベースの収益になるとは限りません。外国債券は、発行体の信用力だけでなく、投資通貨、満期、為替ヘッジの有無までを一体として選ぶことが大切です。