カテゴリーを選択する

アメリカ | 個別企業(社債)

【動画】オラクルがBBB-格へ格下げ 米ドル建て社債は?

  • #ショート動画
  • #信用格付け
  • #個別発行体
  • #テクノロジー
  • #債券投資

記事をシェアする

2026年7月9日、S&Pグローバル・レーティングスは、オラクルの発行体格付けを「BBB」から「BBB-」へ1段階引き下げた。BBB-は投資適格級の最下位であり、もう1段階下がれば投機的格付けとなる。今回の格下げは、急拡大するAI関連投資が同社の財務負担を押し上げていることを映したものである。

成長をけん引するクラウドインフラ事業

オラクルの売上高は近年、クラウド事業を中心に拡大している。同事業は、従来型のクラウドアプリケーション(SaaS)と、クラウドインフラストラクチャー(IaaS)に大別される。

SaaSは長期的な顧客関係を基盤とする、安定性の高い事業である。一方、急成長しているIaaSでは、AI向けGPUやデータセンター設備への巨額投資が必要となる。売上成長への期待は大きいものの、先行投資がキャッシュフローや財務体質を圧迫しやすい点が課題である。

財務レバレッジの悪化が格下げの背景

米ドル建て社債の投資家が注目する指標の一つが、純有利子負債とEBITDAの比率である。オラクルの同指標は約3.8倍から7.9倍へ上昇したとされる。これは、債務に対する利益・現金創出力が相対的に弱まったことを意味し、信用力を判断するうえで無視できない変化である。

加えて、同社はAI関連データセンターを巡る大規模な支払い義務も抱えている。AIインフラ競争が続けば、投資額や借入金がさらに膨らむ可能性がある。S&Pは、従来のクラウド事業とは異なる投資負担の大きさを十分に織り込めていなかったとしている。

米ドル建て社債への影響

格下げは直ちに債務不履行を意味するものではないが、オラクル債には一段高い信用リスクが意識されやすくなる。一般に、格付けが低下すると既発債の価格には下押し圧力がかかり、利回りは上昇しやすい。新たな社債発行でも、より高い金利を求められる可能性がある。

AIインフラ投資の競合には、より高い格付けを持つ大手企業が多い。資金調達力で劣るオラクルが投資競争を続ける場合、財務負担と調達コストの双方が重くなり得る。今後はクラウド事業の成長だけでなく、フリーキャッシュフローの改善、投資額の抑制、負債削減の進捗を確認する必要がある。


本サイトに掲載されている情報は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、特定の債券の購入、売却、保有を推奨するものではなく、将来の投資成果を示唆または保証するものではございません。
債券投資には価格変動のリスクを含む元本割れのリスクが存在します。投資判断は、利用者ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。
本サイトに掲載された情報は、信頼できると判断した情報源に基づいておりますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。
本サイトの情報に基づいて行われた投資行動により生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。
本サイトに掲載されている文章、画像、データ等の著作物は、当社または正当な権利者に帰属します。無断転載・複製を禁じます。

Jトラストグローバル証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第35号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

具体的な商品例(外部サイト)

発行体名 通貨 優先/劣後 償還 永久債 利率 満期
オラクル USD建優先満期一括債 2.875% 2031/3/25
オラクル USD建優先満期一括債 4.900% 2033/2/6
オラクル USD建優先満期一括債 5.550% 2053/2/6
オラクル USD建優先満期一括債 6.125% 2065/8/3

外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
また、外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けるおそれがあります。

外国債券の取引にかかる費用
外国債券を、JTG証券との相対取引によって購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきま
また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートには差(スプレッド)があり、外国債券の起債通貨によって異なります。。

Jトラストグローバル証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第35号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人資産運用協会

上田 祐介
上田 祐介
チーフインベストメントストラテジスト
JTG証券経済調査室長 兼 チーフインベストメントストラテジスト。クオンツアナリストとして職歴を開始。その後は複数の大手外資系投資銀行などで主にクレジット市場関連の業務を歴任。海外クレジット市場の分析に強み。

免責事項

  • 本サイトは証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘や紹介する個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断は投資家ご自身でおこなってください。万一、本サイトの情報に基づいて投資した結果、お客さまが損害を被ったとしても本サイトの運営会社は一切その責任を負うものではありません。
  • 本サイトの内容は作成時点のものであり、信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成したものですが、正確性、完全性を保証するものではありません。
    本サイトに記載の情報、意見等は予告なく変更される可能性があります。