北米保険規制(RBC規制)におけるCLO保有規制強化と米生保への影響
米国の保険会社を監督する米国保険監督官協会(NAIC)では、特に生命保険会社がCLO(ローン担保証券)を保有する場合の、監督規制(RBC規制)を強化する議論を進めており、最終段階に近づいている。本レポートでは、同規制関連の今後のスケジュール感と、特定の保険会社社債への時価影響を考える。
RBC規制の見直し概要
- 2026年末に適用予定の規制変更案は2段階。 (i) RBC比率(ソルベンシー比率)の変更影響が各生命保険会社に与える影響を抑制するべく同規制の前文を修正する案。4月23日公表、コメント期限は2026年6月8日。 (ii) 生命保険会社等がCLOを保有する時の債券掛け目(bond factor)の修正提案。主に低格付け債や、4%未満の厚みのトランシェを保有する場合のリスク掛け目を加算。5月1日公表、コメント期限は2026年6月5日。
CLO保有により規制変更の影響を受けやすい米国保険会社例
- CLO保有により規制変更の影響を受けやすい米国保険会社を5社例示。大手はAAA格中心の保有で影響は小さい。主に中堅生保が影響を受ける。
- 例えば、SBLホールディングスの場合、RBC比率の低下は424%から415~414%と、▲10%程度に留まり引き続き400%台を維持できる見通し
- 最も規制変更の影響が大きいとされる、Wilton Re(再保険)の場合RBC比率は323%から279%への▲44%の低下。しかし、この場合でもRBC比率は279%と、監督対象になる200%に対して、充分な厚みを維持できる、と格付会社では試算。
CLO保有生保の劣後債時価にみる規制影響のコンセンサス
- CLO規制の影響を受けやすい米国生保グループの中で劣後起債を行っているのは、SBLホールディングスやWilton Reなど。
- 2026年2月公表の改定案ははるかに広範で投資ビークル経由の投資全体の掛け目を増す内容。これを受け、両社の劣後債時価は2月から4月初頭にかけて大きく下落。
- しかし、4月23日、5月1日に示された修正案は、結果としてCLOにほぼ限定されており、当初よりも影響はかなり限定。結果、両社の社債時価も4月中旬から5月初頭にかけてかなり回復。
- 少なくとも2026年末の値をベースに適用される規制起因する下方への影響はかなり抑制されたと、弊社では考えている。