サウジ・アラビアン・オイル(サウジアラムコ)2025年通期決算およびクレジット評価
サウジアラビア王国政府が株式の約8割を保有する国策石油会社のサウジ・アラビアン・オイル(以下アラムコ)の概要と、同社発行の社債投資における評価ポイントについて解説。
アラムコの概要とサウジアラビア政府との関係
- サウジの石油埋蔵資産はあくまで王国の資産。アラムコが保有するのは独占的な採掘を法律に基づき与えられた鉱区件(コンセッション)。
- サウジアラビア政府はアラムコに対し三層構造により強い影響力を保持; (i)資源主権に基づく操業規律、(ii)財政(税・ロイヤリティ・配当)の大口受益者、(iii)株主としての支配
アラムコの事業状況
- EBITの大半は資源採掘(上流事業)に起因。下流事業は限定的な規模。上流事業の外部売上・EBITがFY2023→2025で減益。設備投資は高水準で推移。
- 2026/3の米・イラン開戦以降、サウジでは東西パイプライン経由で東部産出の原油を紅海側のYanbuからの輸出へ振り替える体制に急転換。湾岸諸国内で最もホルムズ海峡に代わる代替輸出が円滑。
アラムコの業績・財務傾向
- FY2023からFY2025にかけて、アラムコの売上高・営業利益・純利益はいずれも減少。 営業CFはFY2024からFY2025にかけて、約1,360億ドルと高水準を2期連続で維持。(巨額配当と、同社の高水準な設備投資額を併存させる土台に)
- (i) 純有利子負債は2024年からプラス計上。ただし、(ii) 純有利子負債/EBITDA倍率が概ね0.1倍未満、(iii )レバレッジ比率もわずか3.8%と極めて頑健な財務状況。
信用格付の状況
- Moody’s(Aa3格)、Fitch(A+格)共に、アラムコをサウジアラビア王国と同等の格付け
社債市場の状況と投資評価
- アラムコ社債の信用スプレッドは、4月9日のイランによる国内施設攻撃にもかかわらず、足元で安定。AA格ゾーンの社債としてみれば、現在の信用スプレッドは充分に厚く、格付け見合いでの利回りは相対的に高い。また、イランから直接的な地政学リスクを受けているものの、産油国の中では最もエスカレートされにくい国でもある。
- サウジアラビア政府との一体性が強いアラムコの社債には、一定の投資機会が存在。
- ただし事前に英国法準拠債券にはない契約条件の特殊性について理解しておく
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調査レポート
サウジ・アラビアン・オイル(サウジアラムコ)の2025年通期決算およびクレジット評価