米ドル建て債券市場動向 週次 2026年1月9日から1月16日まで
本レポートでは、2026年1月9日から1月16日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2026年1月12日から1月16日まで)
- アメリカの財政肥大化を、減税効果で下支えされた経済成長で埋められるかどうか不安視される中、年初からトランプ大統領が主導した、ベネズエラへの軍事作戦実施やイランへの攻撃宣言、グリーンランド占有に向けた発言などが、地政学リスクによる世界経済の先行き不透明性を増す結果となっている。
- こうした市場環境を受け、米国国債利回りも一方的なトレンドを形成するには至らず、毎週、細かい上下動を継続しているに留まっている。一方、2025年にも膨れ上がった民間信用による余剰資金が、結果として市場における負債資金(特に短期決済資金)の調達懸念を大きく抑制し、B格などの低格付けクレジットの市場評価を改善させた。
- 次回のFOMC(1/27~1/28)でも、利下げが行われる可能性は低く、相対的に短い年限の金利が変動する中でも、20~30年の利回りは高めの水準で安定推移しやすい環境。円債が実質ベースでマイナス金利に留まる中では、円高への反転も遅れやすく、引き続きドル債でキャリーを得る戦略は有効か。
米国国債市場
- 直近(1月16日)の10年国債利回りは4.22%と前週比で+0.058%の上昇、4週比(12月19日)では+0.076%の上昇。
- 超長期金利の上昇が限定された一方で、中期の金利が上昇するベア・フラット化が生じていた。
米国社債市場
- 2年以下の社債のスプレッドはタイト化。5年超の投資適格債のスプレッドはほぼ固定状態。投機級債はB格が主にタイト化。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では5年債、投機級債では10年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は政府セクターの欧州投資銀行と通信セクターのオランジュの60億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はMidcap Financial Issuer Trust。
米ドル建て社債取引動向
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはブロードコムで、オラクル、メタ・プラットフォームズがそれに続いた。