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今日は何の日(12/25):アイザック・ニュートンの誕生日

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12月25日は、アイザック・ニュートンの誕生日

1642年の12月25日、万有引力の法則を発見したことで有名な、アイザック・ニュートンがイングランドで生まれました。彼は「ニュートン力学」とも称される古典力学や微積分法の創始者であり、人類の科学的世界観を根底から変えた人物、とも言われています。

ニュートンの「奇跡の2年間」

1665年にニュートンはカレッジを卒業し学位を得ましたが、同年から2年間、ロンドンでペスト(黒死病)が流行。ケンブリッジ大学は閉鎖され、学生だったニュートンは故郷のウールスソープへ疎開しました。有名な「リンゴが落下するのを見て万有引力のアイディアを思いついた」という逸話は、この時期のものです。ニュートンはまだ 20代前半でしたが、この隔離期間に、(1) 微積分学の原型を構築、(2) 万有引力の基本構想を構築、(3) 光の分解による色の理論の考案、といった優れた研究成果をほぼ同時並行で成し遂げました。ニュートン本人はこの時期を後に“annus mirabilis(奇跡の年)”と回想しています。

ニュートンが1687年に発行した「自然哲学の数学的諸原理」(プリンキピア)という著書では、運動の法則と万有引力の法則を定式化しました。この本では、日常の生活で観測される「リンゴの落下」から、太陽系内の惑星の運動まで、すべてを統一された数学的記述を用いて説明できることを示しました。ニュートンの優れた研究成果は、一般物理、光学、熱力学、初歩の量子力学、統計、高度数学な数学など多方面にわたりました。ニュートンの物理学は、その後に相対性理論に取って代わられるまで、数世紀にわたり科学分野で支配的な考え方となっていました。

フランス革命を起こしたニュートン思想

ニュートンは科学的な業績だけでも、充分に世界の科学史の中でも突出した天才でしたが、彼の実績はこれらの分野だけに留まりませんでした。ニュートンは哲学者、宗教学者として、非常に数多くの論文を残しています。プリンキピアのタイトルに哲学(Philosophiæ)が入っている通り、ニュートンはこの本の中でも「経験的な裏付けのない仮説だけを提唱すること」を否定し、「観察可能なデータに基づく厳密な説明」を重視すべき、と説きました。自然法則を発見したように、宗教分野や社会分野でも合理的・理性的な理論を導入することができるという考え方を示したのです。

この、政治や社会の仕組みも「自然の法則」のように理性に基づく合理的なものであるべきだという考えは、その後の啓蒙思想の土台となりました。この結果、それまでの教会が支配していた宗教的世界観や、迷信や因習、絶対王政などの既成の権威が批判されるようになり、人間の理性に基づく投資や社会の構築を目指す動きが進んだ結果が、後のアメリカ独立やフランス革命につながりました。ニュートンは、人類の科学だけでなく社会まで変えてしまったのです。

ニュートンと錬金術

こうした人類の歴史を変えるほどの多くの成果をあげたニュートンですが、実は非科学的な分野の典型例ともいえる錬金術にも深い興味を示しており、今見ると首をかしげるような論文も残しています。例えば、ニュートンが1667年に記述した、ペストの治療法に関する未発表ノート2ページがオークションに出されたことがありました。その内容は、「ヒキガエルの粉末と排泄物、そして血清を混ぜてロゼンジ状にし、患部に塗布すると、伝染病が退散し、毒が排出された」というものでした。

マクロ経済学の大家でケインズ経済学を打ち立てたジョン・メイナード・ケインズは、実はニュートンに傾倒した収集家として知られており、1936年にはサザビーズのオークションで、それまで対外公開が禁じられていたニュートンの宗教論や錬金術の関する多くの論文を落札しました。ケインズのコレクションの一部はネット上でも公開されています。ニュートンは、「賢者の石」にも関心を示していたそうです。こうした論文を受け、ケインズは、ニュートンを「啓蒙主義の最初の合理主義者」ではなく、「最後の魔術師」と位置づけ直しました。

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