米ドル建て債券市場動向 週次:12月第3週版
本動画では、2025年12月12日から12月19日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年12月15日から12月19日まで)
- 年末のクリスマス休暇を控え、実務的には最終取引週ということもあり、流通市場の値動きはわずかな水準にとどまった。前週のFOMCにおけるパウエル議長のコメントも、3回連続の利下げではあったものの今後の利下げ継続の維持には確信や方向感を与えにくい内容となっていた。米国市場は1月2日からアクティブな取引が再開されるが、新年度には新たな投資資金の流入も期待され、年初の相場は金利低下方向で成立しやすい、と考える。
- なお、弊社では1月末のFOMCでは利下げが見送られる可能性が高いとみており、1月末にかけての米国債の超長期(20~25年)金利はこれまでの4.8~5.0%近辺の水準を維持しやすいと想定。一方、短期金利は3.35%程度まで-0.1%程度の低下余地と想定。
米国国債市場
- 直近(12月19日)の10年国債利回りは4.15%と前週比で-0.037%の低下、4週比(11月21日)では+0.084%の上昇。
- 2年利回りは-0.039%低下したが、20年国債は-0.029%低下と、イールドカーブの傾きは変わらず(パラレルシフト)。
米国社債市場
- スプレッドは投資適格は1bps未満と、クリスマス休暇を前に大幅なマーケットメイクはほぼ行われない状況。投機級も5~10年のスプレッドはわずかな低下のみ。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では10年債、投機級債では10年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は金融セクターのAsurion LLC and Asurion Co-Issuer Incの33億ドルの起債。2番目は、原材料セクターのセラニーズUSホールディングスの14億ドル。3番目は、生活必需品セクターのポスト・ホールディングスの13億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はBNPパリバによる12.5億ドル。2番目は、Minmetals Capitals & Securitによる12億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、次いでモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループだった。
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはオラクルで、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムがそれに続いた。