米ドル建て債券市場動向 週次:11月第1週版
本動画では、2025年10月31日から11月7日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年11月3日から11月7日まで)
- FOMC後の材料難の中で、株価も若干下落し、米ドル金利もほぼ横ばいに。米国債では、超長期(20年超)の金利だけがわずかに上昇した。
- 今後の方向感を取り戻す材料として、11月9日夜、米上院が政府閉鎖終結に向け法案を進めるための手続き上の措置を賛成60、反対40で可決した。同法案には、議会自体の通年予算(2025/10-2026/9)と、閉鎖中の政府機関の2025/10-2026/1までの予算が含まれる。(下院での最終表決の日程は未定)。今週中に通過した場合、9月分はスキップされても10月分からの経済指標は公表されやすい。
- 消費者信頼感などは、政府閉鎖の影響もあり急落。一方、企業のPMIについては製造業が悪化の一方で、サービス業は大きく回復。
- 相場の方向感が不明瞭な中、より細かいセグメントにフォーカスした投資が有効に。債券では引き続き20-25年近辺の高格付け社債が有用か。
米国国債市場
- 直近(11月7日)の10年国債利回りは4.10%と前週比で+0.019%の上昇、4週比(10月10日)では+0.064%の上昇。
- 10年以下の金利の動きはわずか。20年国債は+0.043%上昇と、イールドカーブの傾きは急に(スティープ化)。
米国社債市場
- 投機級債スプレッドの多くは+10bps以上のワイド化。投資適格債のワイド化は1~3bps程度にとどまった。低格付けクレジットへの警戒感は継続(スプレッドは割高感)。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では10年債、投機級債では2年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は通信セクターのメタ・プラットフォームズの300億ドルの起債。2番目は、通信セクターのアルファベットの175億ドル。3番目は、ヘルスケアセクターのノバルティス・キャピタルの60億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はエンタジーによる13億ドル。2番目は、ロイズ・バンキング・グループと、ナイソースの10億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはメタ・プラットフォームズで、アルファベット、オラクルがそれに続いた。