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アメリカ | 相場

米ドル建て債券市場動向 週次:4月第1週版

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本動画では、2025年3月28日から4月4日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は3月31日~4月4日まで)

  • トランプ関税が世界の金融市場を直撃。ハイイールド債のスプレッドが急拡大。
  • 「相互関税」という名の、計算根拠があいまいな収奪的外交ツールに対する非難があっても、関税は同政権にとってアメリカ国民への税の還付などによる実質減税を行うための原資。
    よって、関税の税率に、各国毎の若干の調整はあっても、抜本的に0近辺に戻すことはない。
  • 3月の駆け込み消費を含めたデータなどが一時的な相場の押上圧力。Q1の業績が公表される5月頃までの相場は一時要因を材料とした回復圧力が顕在化し、結果として不安定ながらもトレンドは下げ方向へ。
  • 10年までの金利は大きく低下。ただし、インフレ懸念もあり20年超の金利はそこまで下がっていない。
  • 残存22年超の債券は、先週末時点でまだ利回りを維持。直利重視で、国債と金融劣後債などを組み合わせた、流動性目的と利息収入を同時に満たすポジション構築が、不安定な相場からのヘッジによる投資資産の防衛に寄与。。

米ドル建て債券起債動向

  • 優先債で起債額の特に大きかった案件は、4月3日に発行したエネルギーセクターの「ペトロナス・キャピタル」の50億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は5~30年。
    同社はグループの財務運営と戦略的取り組みをサポートするために総額50億米ドルのシニア無担保債を発行。この規模の大型起債は、2021年4月以来であり、アジアの石油・ガス部門における過去5年間で最大の発行案件。
  • 2番目は、4月1日に発行したテクノロジーセクターの「デル・インターナショナル/EMC」の40億ドルの起債。債券の本数は4本、年限は3~10年。
  • 劣後債で一番起債額の大きかった案件は、4月1日に発行した損害保険セクターの「Swiss RE Subordinated Finance」の7.5億ドル。6.1910%クーポンで法定年限は21年。Tier2債に相当。

米ドル建て社債取引動向

  • 最も債券の取引額が多かった金融機関はバンクオブアメリカで、JPモルガンチェースがそれに続く形となった。相互関税により、アメリカの経済基盤に下方圧力がかかることを懸念され、米国最大手の商業銀行債の商いが急増する結果となった。
  • 事業会社のうち、投資適格債券ではM&Aのあったマースが最も多く、関税で不透明感の増すフォードモーター、オラクルがそれに続く形となった。

米ドル建て債券価格動向

  • ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
  • 米国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、廃棄物・環境サービス・機器のウエイスト・マネジメント。トランプ関税で国際交易企業への不信感が高まる中、米国国内業種で配当性向の高い企業には市場の関心が集まっている。Waste Management社では、2025年初頭、年間配当率を10%引き上げると発表。さらに、2025年4月28日に第1四半期の決算発表を予定しており、株式市場の反応が債券にも伝播したものと考えられる。
  • この他、相互関税の例外になった医薬品セクターから、メルク、ギリアド・サイエンシズの社債が上昇した。
  • 投資適格債で最も下落したのが、自動車のフォード・モータ-・クレジット。
  • 外国債事業債券で人気があったのは、香港の鉄道会社MTR Corporation。2025年3月の起債は同社にとって過去最大の公募債案件で、インフラということもあり国内外の機関投資家から強い関心を集めた。
  • 外国債事業債券で値を下げたのは、石油:総合のメキシコ石油公社(ペメックス)。 トランプ関税の影響から、メキシコ政府による暗黙の政府支援余力の後退が懸念された。また景気後退により、ガソリンなどの消費量の減少も生じうる状況。

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