ボーイングのクレジット投資評価のアップデート
本動画は、アメリカの航空機製造大手ボーイングに関する決算およびクレジットなど指標化のアップデートを解説します。
ボーイングの概要
- 事業セグメントは(i)民間航空機(34.3%)、(ii)防衛、宇宙、セキュリティ(35.8%)、(iii)グローバルサービス(29.9%)の3つに分かれている。(カッコ内はFY2024の売上高構成比)。
- 民間航空機事業は、2018年と2019年に発生したボーイング737の墜落事故により、パンデミック収束後からの市場回復過程において、同社は民間航空機業界トップのエアバスから大きく遅れを取っている。FY2024の市場売上シェアは28.6%。
- 軍用航空機は固定価格契約において、開発・製造コストが大幅に膨らみ、同セグメントの営業損益は過去最大の赤字となった。一方、米空軍の次世代戦闘機「F-47」の設計・製造・納入に関する契約を獲得するなどの好材料も。
- グローバルサービスは過去約2年間を通してもアフターサービスの需要が増加しやすく、安定した収益を確保しやすい。
- 2024年9月13日から約7週間にわたり大規模ストライキを実施され、2拠点が稼働停止に追い込まれるなど生産力が低下していた。
ボーイングの損益動向/ 財務動向とCFの状況]
- 損益動向; 直近四半期では、民間航空機納入台数の増加を反映して売上高は195.0億米ドル(前年同期 +17.7%)。EBITDA は9.5億米ドル(前年比3.19倍)に。直近12カ月では、ストライキのほか、固定価格契約に関して、相次ぐ追加費用の計上があり、営業損益は▲101.6億米ドルの大幅な赤字拡大へ(前12カ月は▲8.3億米ドル)。
- 財務動向とCF; FY2024Q4に株式および株式リンク証券の発行により約240億ドルを調達。直近四半期(FY2025 Q1)のネット有利子負債は299.4億米ドル(前年度比▲25.9%)、ネット有利子負債EBITDA倍率は7.9倍(過去2年間で最も良好な水準)への改善。
ボーイングの信用格付および社債の投資評価]
- 海外系主要格付機関3社のいずれからもBBB-(Baa3) 格を付与されている。
- S&Pによる評価(2025年4月28日付 S&Pリリース等より); FY2025 Q1はボーイング737の生産が増加し、回復の兆しがみられる。ただし、生産キャンセルの発生や航空機の生産・納入の回復が遅れるリスクが大きく、格付け見通しはネガティブに据え置き。
- 残存6~9年程度の債券に、相対的な投資の効用が高いと考える。
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具体的な商品例(外部サイト)
| 発行体名 通貨 優先/劣後 償還 永久債 | 利率 | 満期 |
|---|---|---|
| ボーイング 満期一括債 | 5.805% | 2050/5/1 |
| ボーイング 満期一括債 | 6.528% | 2034/5/1 |
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
また、外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けるおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を、JTG証券との相対取引によって購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。
また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートには差(スプレッド)があり、外国債券の起債通貨によって異なります。
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調査レポート
ボーイング(Boeing)のクレジット投資評価