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アメリカ | 相場

週次:米国債券市場動向(2024/10 第3週)

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本動画は、2024年10月11日から10月18日まで(ただし、起債額、及び取引額は10月14日~10月18日のデータを集計)の米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。

全体動向

  • 前週には主要なマクロ統計の公表タイミングとずれたこともあり、週次での金利の動きは鎮静化。全年限で金利は横ばいで推移した。
  • 米ドル建て社債市場では、投資適格社債のスプレッドは前週に続き、格付け・年限に関わらず、わずかな動きにとどまった。 投機級社債のスプレッドは、前週のワイド化の反動でタイト化した。

米ドル建て債券起債動向

  • ここでは、10月14日~10月18日までの起債市場動向を確認する。
  • RBC(ロイヤルバンクオブカナダ)は米ドル建てとカナダドル建て同時起債を実施。カナダドルのフォワードレートがプラスに転じる中、与信ニーズも高まり、大型同時起債を実施することとなった。 前週に公表された決算が好調だったモルガン・スタンレーは事業資金ニーズが高く、規制上の要件から非常時にベイルイン可能な持株会社発行のシニア債(TLAC債) に加え、より安全な子銀行債も合わせて発行。

米ドル建て社債取引動向

  • 前週の取引額が多かった社債を、金融機関債と、事業会社(投資適格、投機級)に分け、それぞれ示した。
  • 債券の取引額が多かった金融機関債は、 JPモルガンチェース債、次いでゴールドマンサックスグループ債だった。 2,3位を占めた投資銀行2行では相次いでTLAC債の起債を実施。投資銀行業務が好調な中、既存債務の借り換えと損失吸収余力の拡大によるさらなる事業機会の拡大を目指す動きを受け、社債取引も活発化していた。
  • 投資適格社債は、過去2週と同じ銘柄が主な取引対象。投機級では、米国の天然ガス価格の急落を受け、米州のエネルギー企業の社債が、集中的な取引の対象に。

米ドル建て債券価格動向

  • ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
  • 投資適格の米国籍事業債で、最も上昇したのは航空宇宙・防衛セクターのボーイング。ボーイングは、19日、ストライキを実施中の労働組合に対し4年間で35%の賃上げを含む新労働協約案を提示。労組側は23日に組合員の投票の予定。可決されれば1カ月以上にわたって実施されたストライキが終了するため、週末にかけて社債価格が上昇。米国籍の投機級事業債で、最も上昇したのはスーパーマーケット&薬局セクターのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス。
  • 米国籍の投資適格債で最も下落したのが、投資適格債で最も下落したのが、管理医療セクターのセンティーン。米国の医療保険会社は、公的医療保険のメディケアとメディケイドからの支払い減少に直面。政府統計によるメディケアの平均支払い額が0.2%減少したとの統計情報が、主要医療保険会社の利益率圧迫懸念により、株式・社債の両時価の下落を誘引。
  • 外国籍事業法人の投資適格債で、最も価格が上昇したのは林産物・紙製品製造セクターのスザノ・オーストリア。世界的なパルプ価格の上昇の中で、ESGとの兼ね合いでも負荷が限定されているブラジルのスザノ社の株価がFCF改善期待から上昇、同グループの米ドル建て資金調達に主に活用されている、子会社のスザノ・オーストリアの社債価格も上昇した。
  • 投資適格の外国籍債で最も下落したのが、投資適格債で最も下落したのが、パイプラインセクターのエンブリッジ。北米(ヘンリーハブ)の天然ガス先物価格が、 10月18日には2.258(MMBtu)と過去5年で最低レベルまで急落、北米でパイプライン事業を営むカナダ企業エンブリッジでは、採掘地域の採算性の低さから輸送量の減少が懸念され、社債時価が下落した。

米ドル建て債投資戦略のまとめ

  • 前週の米国債市場は、主要指標の合間ということで材料出尽くし感もあり、値動きに乏しかった。
  • 投資適格社債も、同様に値動きが減る中、個別の材料を求め、相対価値に基づく取引が進んだ。
  • 株価指数は最高値を更新も、不動産価格指数や、実物資産価格は下落。高止まりする金利のさらなる上値が重い中、株価の急落に備え、ディフェンシブなポジションを債券で構築する機会か。

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