リスク指標をシフトしたFOMCメッセージと米ドル建て債券見通し
本レポートでは、2025年9月のFOMCを参照しつつ、2025年末及びそれ以降にかけての米国債券相場と為替相場についての弊社の見方を紹介する。
2025年9月のFOMC声明、議長記者会見で示されたメッセージ
- 9月のFOMCでは政策金利の目標レンジを4.00〜4.25%に0.25%の引き下げ(約1年ぶり)。
- FOMCの文書でも、雇用の下振れリスクへの転換を強く意識。
- ただし、ドットチャートは必ずしも、持続的な利下げに、すべての投票者が傾いてはいないことを示す。
パウエル議長の見解
- パウエル議長発言では、従来の想定ほどインフレは悪化しておらず、半面で労働指標は悪化していると、事実上、過去の見通しが誤っていたことを認めたかのような予想トレンドの転換。
- 物価への影響が一度限りの短期的なものとなる可能性もある。しかし、影響がより持続的になる可能性もあり、分析し管理すべきリスクである。
弊社の金利想定と着目点
- 2025年中はこれ以上の利下げ無し。2026年以降は、2026年6月までに1回程度の利下げ(→4.00%)か
- 米10年金利は、2025年12月末に4.19%まで、2026年6月末に4.07%とわずかに上昇したのち、元の水準に低下と想定
- 米ドル/日本円レートは、2025年12月末に149.6円/ドル、2026年6月末に148.9円/ドルと、140円台のボックス圏で推移と想定。