米ドル建て債券市場動向 週次 2025年8月8日から8月15日まで
本レポートでは、2025年8月8日から8月15日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2025年8月11日から8月15日まで)
- 8月に公表された経済指標は、利下げ/見送りの双方に材料を提供する内容だった。トランプ政権からの利下げ圧力もあったが、一方的な利回り低下は観測されていない。22日のジャクソンホール会合におけるパウエル議長の発言が注視される。ただし、9月のFOMCにおける利下げを直接示唆するような発言は、行われない可能性が高い。
- 9月に▲0.25%程度の利下げが実施される可能性は高まっている。一方、年内に2度目の利下げが行われるかどうかは不明。長期債への投資機会は、あと1か月半程度は、少し続きやすい。
米国国債市場
- 直近(8月15日)の10年国債利回りは4.32%と前週比で0.033%の上昇、4週比(7月18日)では-0.099%の低下。
- 2年利回りは-0.01低下したが、20年国債は0.06上昇と、イールドカーブの傾きは急に（スティープ化）。
米国社債市場
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では2年債、投機級債では2年債。
- 国債金利の上昇に社債価格の反応が遅れ、テクニカルにスプレッド低下。（実態は、社債気配の更新遅れ）
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は政府セクターのEagle Funding Luxco Sarlの120億ドルの起債。2番目は、エネルギーセクターのChevron USA Incの55億ドル。3番目は、エネルギーセクターのMPLXの45億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はＪＰモルガン・チェース・アンド・カンパニー、次いでバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーだった。
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはメキシコ石油公社（ペメックス）で、ＣＶＳヘルス、MPLXがそれに続いた。
- 投機級債ではトランスダイム債の取引額が多かった。
