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アメリカ | 相場

米ドル建て債券市場動向 週次 2025年5月30日から6月6日まで

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米ドル建て債券市場動向 週次 2025年5月30日から6月6日まで

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本レポートでは、2025年5月23日から5月30日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は5月26日~5月30日まで)

まとめ

  • 前週は、動意の薄い市場状況であった。
  • トランプ政権による相互関税の延期期限や、上院に移ったOBBB法案の議論の期限、さらには債務上限の期限などを考えると、7月にはより多くの材料が出ざるを得ない市場環境に。
  • 逆算すると、これまでTACO(Trump Always Chickens Out)などを材料に買いあがってきた株式等についても、再度リスクを織り込まざるを得ないタイミングが近づきつつある、と言える。6月単月では、月末にかけて値を崩しやすいとみる。
  • 短期金利の低下と超長期金利の高止まりにより、長短金利差はさらに拡大しやすい。

米ドル建て債券価格動向

  • 金利水準は全体として反転低下。OBBB法案の下院通過で景気へのサポート要因を織り込んだ。
  • 20年金利-2年金利で見た長短金利差は引き続きワイドな状況を維持。米国の財政肥大化懸念をより強く織り込んでいる状況。
  • 社債スプレッドは、全年限・全格付で、ほぼ動きなし。B格のみ若干タイト化。
  • BBB格の投資適格債が相対的に割安な状況は変わらず。

米ドル建て債券起債動向

  • 前週に優先債で起債額の特に大きかった案件は、5月28日に発行した工業セクターの「Siemens Funding BV」の70億ドルの起債。債券の本数は7本、年限は3~40年。 Siemens Funding B.V.は、Siemens AGおよびそのグループ会社に対する資金供給を目的とした金融子会社。40年満期の米国債が無い中で、40年債の起債は希少。発行条件は30年国債(2055年満期)+0.95%により、5.9%クーポンで発行。
  • 次いで起債額が多かった優先債は、5月29日に発行した金融セクターの「シティバンク銀行」の65億ドルの起債。債券の本数は4本、年限は2~5年。 シティバンク銀行は銀行実務を行う商業銀行(Opco)で、ベイルインリスクのある持株会社(シティグループ)のシニア債(TLAC債)よりもデフォルトリスクが大幅に低い債券。事業拡大に伴う資金需要の拡大を反映した起債案件。
  • 劣後債では、一番起債額の大きかった案件は、5月29日に発行した生命保険業セクターの「ノースウエスタン・ミューチュアル・ライフインシュアランス」の10億ドル。6.17%クーポンで法定年限は30年。

米ドル建て債券取引動向

  • 金融債で最も取引額が多かったのは「シティグループ」で、「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」がそれに続く形となった。
  • 事業会社社債のうち、投資適格債券では「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」が最も多く、「ゼネラル・モーターズ」、「オラクル」がそれに続く形となった。 トランプ関税が、米国内の景気の先行き不安を拡大させ、クルーズ・レジャー・ホテルなどの今後の収益動向に市場の不安が増しており、「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」のスプレッドが拡大、取引も増加した。

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