トランプ大統領による相互関税を課す大統領令の概要
米トランプ米大統領は4月2日付で、米国に輸出を行うすべての国に対し、「相互関税」を課す旨の大統領令に署名。本レポートでは、内容を整理する。
相互関税に係る大統領令の内容
前文
- 法律適用の前提となる「国家非常事態宣言」を正当化。
- アメリカに輸出を行うほぼすべての国が不公正な取引慣行で不当利益を得ていると主張。
- 米国側のそもそもの目的が「関税を課す」ことにあり、議論を通じて不均衡を解消する交渉をする意思がないのであれば、反論を行う意味はない。
本文
- すべての輸入品に対し、一律10%の追加関税
- 特定貿易相手国からの輸入品について、10%以上の国別関税率(より高い追加税率)を適用。(ベトナム46%、台湾32%、韓国26%、マレーシア24%、日本24%、EU20%など)
- 追加関税の対象外となる例外品目; i). 郵便・通信など、 ii). 品目別課税済みの鉄・アルミ製品、 iii). 品目別課税済みの自動車・自動車部品、 iv). その他指定された品目(医薬品、半導体、銅、鉱物、他)
- メキシコ・カナダの特例措置; USMCA適合品目;原則として追加関税の適用除外、 USMCA非適合品目; 最大25%の追加関税を適用(例外あり)
- 米国由来の構成部分(U.S. content)への優遇措置; 20%以上の価値が米国内で生産されたもの(U.S. content)は、追加関税の対象は非米国由来の部分のみ。
- 中国・香港・マカオへの対応措置: 中国本土と香港・マカオからの輸入品に対しては、すべて同一の関税率(54%);既存の20%の関税+新たな34%の関税)を適用。