米ドル建て債券市場動向 週次 2026年5月8日から5月15日まで
本レポートでは、2026年5月8日から5月15日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は2026年5月11日から5月15日まで)
- アメリカとイランの交渉は、解決の糸口を見せず。米中首脳会談においても、経済関係で進展を見たが、純粋な外交面では双方の顔を立てた形にとどまる。
- 米国では、前週公表のCPI(消費者物価総合)が+3.8%増になったのに続き、企業物価(PPI)も+6.0%に急上昇。インフレがより多くの産業や地域に、加速的に広がるとの懸念が広がる。この結果、世界的に超長期債が売られ金利が上昇。また、経済の混乱期に買われやすい米ドルは、他の主要通貨に対し一強で推移。ドル円レートも「介入期待」だけでは、世界的な資金の流れには対抗できない。
- 中期的なエネルギー需給懸念に起因するインフレ継続は、(i)株価は不安定ながらも上昇トレンドを継続、(ii)ただし国内サービス事業などは相対的に悪化、(iii)世界的な債券価格の下落を先導しやすいのが日本の超長期国債(特に30年、40年)。円建て資産はスタグフレーションに脆弱であり、非「円」シフトを推奨。
米国国債市場
- 直近(5月15日)の10年国債利回りは4.59%と前週比で+0.239%の上昇、4週比(4月17日)では+0.345%の上昇。
- 世界的に高インフレの継続が懸念。米PPIも前年比+6.0%(2026/4)、米国債も多くの年限で+0.2%を超える金利上昇を観測。
米国社債市場
- 投資適格では10年のスプレッドはほぼ動かず。短期でのスプレッド・タイト化が顕著。
- ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では10年債、投機級債では2年債。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件は金融セクターのGaci First Investment Coの70億ドルの起債。2番目は、金融セクターのHSBCホールディングスの45億ドル。3番目は、テクノロジーセクターのサービスナウの40億ドル。
- 劣後債で起債額の特に大きかった案件はベライゾン・コミュニケーションズによる40億ドル。2番目は同順位で、トゥルイスト・ファイナンシャル、バレー・ナショナル・バンコープ、バンコ・ナショナル・デ・コメルシオ・エクステリアの5億ドル。