2026年衆議院選挙は、国内金利にどう影響するのか?
本レポートでは、2月8日の衆議院選挙の選挙結果が国内の債券相場に及ぼす潜在的な影響と、その前提となる考え方の違いについて解説する。
衆議院選挙の影響を考える上での前提
- 円金利相場の急上昇とその背景 : 金利上昇の主要因;財政政策の拡大に対する懸念による需給要因からの国債価格への下落圧力、外国為替の変動(円安)を含むコスト押上型のインフレの影響、日本経済そのものへの信認の低下を反映。
- 2026年衆院選に関する事前の政党別支持率 : 党首討論後の世論調査結果は、現与党(自民・維新)と与党に近い政策を打ち出している野党(国民・参政)の政党支持率が相対的に高い傾向。政策面での差は小さく、現与党により強く反対姿勢を取る中道などの政党が与党を取ったとしても、ポピュリズム的な財政の拡大方針に大きな変化はない可能性。
- 高市政権の「責任ある積極財政」における規律とは : 与党が示す「責任ある積極財政」の「財政規律指針;名目GDP対比の国債残高や、歳入に占める公債費比率を一定の水準で抑制。
- 成長を信じる政権、信じない財政規律派 : 国内債券市場は財政規律派の見方を反映。現政権との違いは政策運営による経済成長の実現可否に対する信頼感。
- 政治信念が生む経済スパイラル・シナリオの違い : 両者の語る将来の経済スパイラルは、正負が真逆の方向性
- 政府が想定する“成長移行シナリオ”とその前提 :「成長移行シナリオ」では物価上昇率を上回る3%以上の賃金上昇率が達成され、経済も成長。超長期金利の急上昇は必ずしも 国債の「信認」喪失を意味せず、名目GDP比での公債等残高比率は改善傾向を続ける想定。
- シナリオ達成に向け、乗り越えるべき最優先課題:生産性の伸び悩みの主要因であるフルタイム労働者の労働時間の減少を解消 → 実現により生産性が上がれば国内投資の再拡大へ
- 人より働き、見合った評価を受けるという労働スタイルの選択肢を提供する施策の実現には、働き方に中立的な制度の構築、現役世代の保険料率負担の引き下げ、給付付き税額控除の制度設計を含めた「社会保障と税の一体改革」の進展が必要
衆議院選挙の結果と国債相場へのシナリオ別影響
- 成長施策の必要財源創出には、日本の政治が苦手とする「既得権益の削減」は不可避。
- 今回の衆議院選において連立与党が大勝すれば、インフレ下でも実質成長を継続できる新たな均衡状態へ移行し、国債相場も安定化へ。
- 与党が充分な余裕を伴った勝利が得られない、もしくは敗北した場合には、歳出拡大を止められない財政政策と低成長により、さらに悪い金利上昇が継続。