南アフリカ経済の現状と米ドル建て国債投資の効用
本レポートでは、南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)の概要および経済状況を概観しつつ、米ドル建て南アフリカ国債の信用力評価について弊社の考え方を示す。
南アフリカの概要
- 2024年における名目GDPは4,100億米ドルで、アフリカ地域内で最上位の経済規模。
- 現在はラマポーザ大統領による3期目の政権運営にある(与党:アフリカ民族会議)。
- 外交政策は「中立的立場を維持しつつ、多極的な国際秩序の構築に積極的に関与する外交方針(積極的非同盟政策)」が基本。
- 産業別GDP構成比は一次産業が8%、二次産業が17%、三次産業が75%。
- 2024年は+105億米ドルの貿易黒字。最大の貿易相手国は中国であり、輸出の10.8%、輸入の21.6%を占める。
南アフリカの経済状況
- 2024年の実質 GDP 成長率は+0.6%。IMFは2025年に1.0%、2026年に1.3%の経済成長を予想。
- 2025年4月のインフレ率は2.8%と準備銀行が示す目標範囲をやや下回る水準にある。
- 2025年1月時点の失業率は32.7%、労働参加率は59.9%。他国と比較して、失業率が極めて高い水準にある。
- 2024年末時点の政府債務は3,195億米ドル、対(年次)GDP比で76.4%。国有企業への財政支援が財政再建を一層困難にしている。一方、金価格の上昇を受けて、対外債務の圧縮および外貨準備高の積み増しが進みやすい環境が続く。
南アフリカ・ランド (ローカル通貨)の状況
- 経常収支(FY2024)▲1,920億ZARの赤字。
- 為替は過去5年間でみた場合には、全体として通貨安の傾向にある。
- ランド通貨の取引シェアは0.5%にとどまっている。
南アフリカのソブリン・クレジット評価
- 南アフリカの発行体格付けはムーディーズからBa2格、S&PとフィッチからBB-格と、いずれも投機級。
- 地政学リスクは抑制的であり、米ドル建て債券であれば信用リスクを反映したスプレッド以外に、同国の独自要因は反映されにくい。250bps以上のスプレッドが乗っていれば、投資の検討対象に値すると考える。
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具体的な商品例(外部サイト)
| 発行体名 通貨 優先/劣後 償還 永久債 | 利率 | 満期 |
|---|---|---|
| 南アフリカ共和国 コーラブル債 | 5.875% | 2032/4/20 |
| 南アフリカ共和国 コーラブル債 | 7.300% | 2052/4/20 |
外国債券の取引にかかるリスク
債券は、債券の価格が市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還前に換金すると損失が生じるおそれがあります。また、債券を発行する組織(発行体)が債務返済不能状態に陥った場合、元本や利子の支払いが滞ったり、不能となったりすることがあります。
また、外国債券(外貨建て債券)は為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じたり、債券を発行する組織(発行体)が所属する国や地域、取引がおこなわれる通貨を発行している国や地域の政治・経済・社会情勢に大きな影響を受けるおそれがあります。
外国債券の取引にかかる費用
外国債券を、JTG証券との相対取引によって購入する場合は、購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。
また、売買における売付け適用為替レートと買付け適用為替レートには差(スプレッド)があり、外国債券の起債通貨によって異なります。
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