米ドル建て債券市場動向 週次 2025年3月14日から2025年3月21日まで
本レポートでは、2025年3月14日から3月21日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は3月17日から3月21日まで)
- FOMCは事前想定通りに現状維持。トランプ政権の関税政策は、インフレと景気減速を生じさせやすい。FRBがみている「米国経済のあるべき姿」や必要な政策対応は、トランプ政権との間でずれが生じている。インフレが加速する懸念がある中での利下げは実施しにくい。FRBは通常の金融環境下での景気悪化よりも、インフレ下での景気悪化の方が、コントロール不能との認識。よって、他国との相互制裁を含む経済への影響を見極めるには、4月のFOMCではタイミング的に不十分。7月頃までかかる可能性。その間は、株価・市場金利ともに変動性が増しやすいが、一方的な相場トレンドは形成しにくい。
米ドル建て債券起債動向
- 優先債で起債額の特に大きかった案件はテクノロジーセクターのシノプシスの100億ドルの起債。2番目は、政府セクターの国際復興開発銀行の60億ドル。3番目は、一般消費財セクターのBMW米国キャピタルの40億ドル。
米ドル建て社債取引動向
- 最も債券の取引額が多かった金融機関債はシティグループ、次いでバンクオブアメリカ、INGグループだった。
- 事業会社のうち投資適格債で取引額が最も多かったのはマースで、フォードモーター、メキシコ石油公社(ぺメックス)がそれに続いた。
- 投機級債ではボシュ・ヘルス債の取引額が多かった。
米ドル建て債券価格動向
- ここでは、前週の利回り・スプレッドの時系列推移、セグメント別に比較した個別社債相場の動向を確認する。
- 直近(3月21日)の10年国債利回りは4.25%と前週比で-0.066%の低下、4週比では-0.185%の低下。
- 全債券で見て最大の利回りが出る年限は24.4年(2049年8月満期)、利回りは4.728%(気配、中値)。
- 米ドル建て社債を年限別に見ると、相対的にスプレッド(超過利回り)が広めに動いたのは、投資適格債では2年債、投機級債では5年債。